1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480014
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鳴橋 直弘 富山大学, 理学部, 教授 (10019002)
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Keywords | ヘビイチゴ / ヤブヘビイチゴ / ヘビイチゴ属 / 核型 / 倍数体 / 植物地理 / ネクターガイド / 種子発芽 |
Research Abstract |
1.滋賀県のヘビイチゴ属各倍数体の頻度についての調査:203ヵ所で採集し、2倍体は135ヵ所、7倍体は8ヵ所、8倍体は13ヵ所、12倍体は47ヵ所であった。 2.石川県のヘビイチゴ属各倍数体の頻度についての調査:200ヵ所で採集し、2倍体は129ヵ所、7倍体は7ヵ所、8倍体は13ヵ所、12倍体は51ヵ所であった。 3.新潟県のヘビイチゴ属各倍数体の頻度についての調査:199ヵ所で採集し、2倍体は184ヵ所、7倍体は2ヵ所、8倍体は8ヵ所、12倍体は5ヵ所であった。 以上1、2、3と従来の結果(富山、岐阜、愛知、福井、三重、香川の各県)と合わせて考えると、雑種と思われる7倍体と8倍体の分布中心は福井県であり、そこから離れるにつれ、減少することがわかった。 4.ヘビイチゴ属植物の核型と減数分裂は、岩坪氏と共同で行ない、完了した。その結果は、日本植物学会第53回大会、岡山大学にて発表した。また、この成果を雑誌に投稿するために準備中である。 5.ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの種子の発芽実験を行なったところ、62年度と一部結果が異なった。このことは材料である種子の保存等に問題があると思われたため、平成元年に再度行なう予定である。 6.光条件を変え、ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの生活、特に有性生殖と栄養繁殖の仕方を分析した結果、よい成果が得られた。 7.昭和63年度にヒマラヤの数カ所でヘビイチゴ属植物を観察し、花のネクターガイド(花弁基部のUV吸収)の有無についても調査することができた。また、種子を持ち帰ったので、現在それらの染色体を調べている。
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