1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480039
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
細井 寅三 静岡大学, 農学部, 教授 (60022034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 久 静岡大学, 農学部, 助手 (20093297)
大石 惇 静岡大学, 農学部, 助教授 (50022249)
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Keywords | 果樹 / Shootの増殖 / 発根 / 茎頂 / カルス / 凍結保存 |
Research Abstract |
1.果樹茎頂よりのshootの増殖と発根. リンゴ及び西洋ナシ数品種を供試して茎頂からのshoot増殖と伸長について実験を行った. その結果,リンゴではMS培地にBA1ppmを添加した場合, 最もshoot増殖が優れ,西洋ナシでは, 1/2MS培地にBA1ppmを添加すると増殖が優れた. 西洋ナシでは品種により増殖条件が異なり,ラ・フランスでは1/2MS培地でもshoot先端部の枯死などがみられた. クリ実生では, 1/2MSや1/4MS培地に比較して, WPM培地で培養した場合, 最もshootの伸長が優れた. 培地に添加するBA濃度を高めるにしたがってshoot増殖も増加したが, 同時に茎切断部のカルス形成やshoot先端部の枯化も増加した. クリ成木では培養日数が増すにしたがって枯死する個体が増加し, 適切な培養条件を見出すことが出来なかった. 培養したshootからの発根は, リンゴ,クリとも1/2MS培地に1BAを添加した培地で培養するよりも, 1BAの高濃度液にShoot基部を2,3秒浸漬後,1/2MS基本培地に置床するほうが発根が優れた. 発根した個体は比較的容易に駆化させることが出来た. また, Shoot培養回数が増すにつれて, 発根が容易になる傾向がみられた. 2, 茎頂,カルスの凍結保存.In vitroで培養した数種の果樹茎頂及び茎より誘導したカルス組織について, その凍結限界温度や凍結方法について検討した. 温度降下速度を制御できる低温器を用いて実験を行ったところ, 温度降下速度は1分間に0.5℃で生存率が最も高くなった. 培養したshoot茎頂やカルス組織の凍結耐性はどの果樹でもあまり差はなく, -10℃程度の凍結で多くが枯死した. 凍結前の低温処理や培地へのABAの添加は,1,2の例を除いて, 凍結耐性を低下させる傾向がみられた. 凍結媒液グルコースの添加は凍結耐性を増大させたが, DMSOには凍防御剤としての傾果な認めれなかった.
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