1987 Fiscal Year Annual Research Report
宿主特異性決定過程における宿主一病原体の遺伝子発現に関する研究.
Project/Area Number |
62480045
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥 八郎 岡山大学, 農学部, 教授 (20033144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲治 岡山大学, 農学部, 講師 (00191320)
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Keywords | エリシター / サプレッサー / フェニールアラニンアンモニアリアーゼ(PAL) / ピサチン / 抵抗性遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.エリシター,サプレッサーのPAL酵素活性とピサチン蓄積に及ぼす影響 エリシター処理による裏面剥離エンドウ葉のPAL遺伝子転写活性を,インゲンPALcDNAをプローブとするノーザンブロットハイブリダイゼーションにより検索したが,本系ではi)裏面剥離処理に人手と時間がかかり過ぎ,PALnRNAの経時変化を正確に把握するには誤差が大きいこと,更にii)温室育成のエンドウ葉では,光誘導によるPAL転写活性が高く,エリシターの誘導によるPAL遺伝子転写レベルを経時的に比較するには,バックグランドが高すぎること,の問種点が明らかになった. 従って,暗黒下で育成した播種後6日目のエンドウ上胚軸を供試植物体とし,エリシターのPAL酵素活性,ピサチン蓄積量に及ぼす効果を調べたところ,PAL酵素活性はエリシター処理後9時間に顕著な増加が,また18〜24時間にはピサチンの蓄積が認められた. エリシターのサプレッサーの同時処理では,エリシターの誘導は確認されず,サプレッサーがエリシターの効果を打消すことが明らかとなった. 2.エリシター,サプレッサーのPALmRNA転写活性に及ぼす影響 上記の結果から,エリシター処理後1ー5時間の各時間ごとにエンドウ上胚軸かりRNAを抽出し,ホルムアルデヒドRNAアガロースゲルでRNAを分画後,インゲンPALcDNAをプローブとしたノーザンブロットハイブリダイゼーションを実施したところ,1ー3時間で著しいPALmRNA転写活性が確認された. 現在,サプレッサーのPALmRNA転写活性に及ぼす影響を検討している. 3.エンドウcDNAライブラリーの作成 非生物的エリシター,アクチノマイシンDで処理したエンドウ鞘からポリ(A^+)RNA画分を精製し, 所定の方法によりλgt11を用いたcDNAライブラリーを作成したところ,1μgあたり2×10^6個の組換え体プラークを得た. 現在PAL,CHS,HRGPのcDNAを同定している.
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