1987 Fiscal Year Annual Research Report
家蚕フィブロイン遺伝子の改変による新しい繊維の育成
Project/Area Number |
62480046
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
姫野 道夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (10026411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 正矩 東京農工大学, 工学部, 助手 (90015032)
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Keywords | フィブロイン / 絹蛋白質 / 蛋白質工学 / ベッター作成 / フィブロイン遺伝子 / 遺伝子改変 |
Research Abstract |
絹フィブロインは衣料繊維素材としてはもとより, 医療用材料や酵素固定化担体などのようなバイオ素材としても期待されている. そこで本研究は家蚕絹フィブロインをより新規な繊維素材, バイオ素材として改良, 開発するため, 遺伝子操作法により新しい絹フィブロインに改変しようとするものである. 即ち, 家蚕フィブロインの特徴的なアミノ酸配列(ーSer-Gly-Ala-Gly-Ala-Gly-)により反応性の富だアミノ酸をさらに付加させることにより新規フィブロインに改変しようとしている. 反応性の富だアミノ酸として, さしあたりLysを添加し, 大腸菌中でその改変遺伝子を発現させる. 生理活性等のないフィブロイン断片の大腸菌中での発現を見るため,組み込んだ遺伝子が大腸菌中ど翻訳された時のみβーガラクトシダーゼが発現して来るように調製されたプラスミドP41を使用する. Suzuki & Ohshimaにより家蚕よりクローニングされたフィブロイン遺伝子を有するプラスミドpFb29,pBmF6よりフィブロイン結晶領域をAluIの限定処理により取り出しP41にサブクローニングを行ないβーgal発現する数個のクローンを得た. このクローンよりDNA断片を抽出しアガロース電気泳動にかけ分析したところ約200bpの大きさのフィブロイン遺伝子DNA断片を含み,大腸菌中で発現している事が明らかになった. 目下, 血清学的にこの蛋白貭の同定を行うため実験を進めている. フィブロインの結晶領域にあたる-Gly-Ala-Gly-Ala-Gly-Ala-にLysのアミノ酸コードを追加したーG G GTGCT G G C GC A GCTAAAをDNA合成装置により合成しP41プラスミドに組み込み大腸菌中での発現を調べた. DNAライゲーションの過程でDNAオリゴマー自体の重合が生じ大きなDNA断片となり組み込まれるものも取れてきた. しかしこの場合,続枠のづれのため,最初の断片以外はフィブロインは異なる産物となっているものと考えられる.
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