特殊環境プランクトンの大量培養と有用物質生産に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62480068
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 山口 勝己 東京大学, 農学部, 助教授 (50011896)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 徳田 宏 東京大学, 応用生命工学専攻, 助教授 (90011882)
• Keywords: 特殊環境プランクトン / 大量培養 / Gonioloma pseuologonianlax / Oscillatoria sp-2 / 生理活性物質 / ポリエーテルマクロライド / ペプチド

Research Abstract

本研究は、特殊な環境に生育するプランクトンを採集し、大量培養を試みるとともに、それらが産生する生理活性物質、エキス成分などの有用物質を探索することを目的に実施した。
1.前年度に引続き国内外から各種プランクトンを入手し、種別に培養条件を検討し、多くのものにつき大量培養法を確立した。
2.前年度、強い抗カビ性と棘皮動物受精卵の卵割阻害活性を示す新奇なポリエーテルマクロライドGoniodominAを分離した渦鞭毛藻Goniodomin pseudogouiaulaxの大量培養法の改良を図り、最適条件として、Provasolis ES supplementを添加した3/4濾過海水を培地とし、温度25°C、照度160μE^<-2>S^<-1>、明暗サイクル14時間明・10時間暗で静置培養する方法を確立した。
3.上記の大量培養を通じ、活性物質が多量に培養液中に分泌されていることを見出すとともに、Goniodomin Aの他にも類似の活性物質Goniodomin Bが存在することを明らかにした。
4.前年度に比較的強い脂溶性生理活性物質が検出された海産藍藻Oscillctania sp-2につき大量培養を行い、活性物質を精製単離し、構造決定を試みた。この活性物質もポリエーテルマクロライド様の化合物と判明したが、構造を決定するまでには至らなかった。
5.耐塩性微細緑藻Dunaliella bardanilの水溶性画分に検出されたアンジオテンシン転換酵素阻害活性物質を各種クロマトグラフィーにより精製し、ピプチドであることを確認したが、微量のためアミノ酸配列では解明できず、今後の課題となった。

Research Products

• [Publications] 山口勝己: 日本水産学会誌. 54. 239-243 (1988)
• [Publications] 村上昌弘: 日本水産学会誌. 54. 1035-01039 (1988)
• [Publications] 村上昌弘: Tetrahedron Letters. 29. 1149-1152 (1988)