1989 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜の成長ホルモン、ソマトメジンCおよび膵ホルモンのアミノ酸による分泌調節
Project/Area Number |
62480077
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 康之 東北大学, 農学部, 教授 (90005637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助手 (60091831)
庄司 芳男 東北大学, 農学部, 助手 (60005642)
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Keywords | アミノ酸 / 成長ホルモン / ソマトメジンC / インスリン / グルカゴン / 反芻動物 |
Research Abstract |
前年度までの研究結果から、供試17種アミノ酸のなかで、Aspは成長ホルモンのみを、Leuはインスリンのみを、Glyはグルカゴンおよびインスリンの両者の分泌を最も強く刺激することが明かとなった。本年度はこれら3種のアミノ酸の長時間経腸投与の効果を検討するために、それぞれ単独に、3.6、7.2、14.4mmol/kg/dayにて、十二指腸内に三日間定速連続投与し、三日目に分泌反応を調べた。いずれのアミノ酸の各投与量とも三日目の血中アミノ態窒素濃度はほぼ平衡状態にあり、その濃度は投与量の増加に依存して高くなったが、特にGly投与ではその上昇が顕著であった。Gly投与では投与量に応じてグルカゴン・インスリン両分泌が増加したが、I/G比(インスリンとグルカゴンの血漿モル濃度比)から見て、Glyはインスリン分泌よりもグルカゴン分泌を優勢に刺激した。 Leu投与では投与量に応じてインスリン分泌が増加したが、静脈内投与時には認められなかったグルカゴン分泌の増加を伴った。そのためI/G比には変化が見られなかった。Leu投与によりソマトメジンC分泌の増大する傾向が認められた。Asp投与ではアミノ態窒素濃度の上昇が小さいことを反映して成長ホルモン分泌の増加は認められなかった。 以上の結果から、Gly投与によってI/G比の低下を伴うグルカゴン分泌を、またLeu投与によってI/G比を変えないインスリン分泌およびソマトメジンC分泌をひきおこすことが可能であり、Glyによって体内のエネルギ-分配を異化作用の方向に、Leuによって同化作用の方向に導き得ることが示唆された。
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[Publications] Kuhara T.: "Insulin,glucagon and growth hormone responses to amino acids in sheep" Asian-Australasian J.Anim.Sci.,. 2. 231-232 (1989)
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[Publications] Senge H.: "Insulin and glucagon responses to volatile fatty acids and α-keto acids in sheep" Asian-Australasian J.Anim.Sci.,. 2. 233-234 (1989)
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[Publications] Kuhara T.: "Effects of intravenous infusion of seventeen amino acids on the secretion of GH,glucagon and insulin in sheep" Am.J.Physiol.
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[Publications] 久原徹哉: "めん羊の成長ホルモン分泌におよぼすアミノ酸静脈内注入の影響" 第80回日本畜産学会大会講演要旨. 187 (1988)
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[Publications] 久原徹哉: "メンヨウの膵内分泌および成長ホルモン分泌に及ぼすGly,Leu,Aspの静脈内注入の影響" 第81回日本畜産学会大会講演要旨. 41 (1989)
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[Publications] 久原徹哉: "ヒツジのグルカゴン、インスリン、GH、IGF-I分泌に及ぼすアミノ酸十二指腸内長時間連続投与の影響" 第83回日本畜産学会大会講演要旨. (1990)