1989 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学的手法を取り入れた受精卵(胚)の分離と集合に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62480083
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金川 弘司 北海道大学, 獣医学部, 教授 (00111162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 貢 北海道大学, 獣医学部, 助手 (30183578)
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Keywords | マウス / ヒツジ / ヤギ / ウシ / 受精卵(胚) / 切断2分離 / 集合 |
Research Abstract |
1.マウス受精卵(胚)の切断2分離 マウスの切断2分離胚を対外培養した後、形態別(eu-blastocyst,pseudo-blastocyst,trophectodermal vesicle,non-integrated form)に分けて細胞数とin vitroにおける着床現象の観察を行った。その結果、切断2分離胚の細胞数は対照胚の1/2以下であり、また、胚の付着と栄養膜細胞のoutgrowthは胚の形態による差異が認められた。内部細胞塊の分化は、対照胚では56.9%に認められたが、切断2分離胚においては、eu-blastocystで24.8%、pseudo-blastocystでは5.7%であり、trophectodermal vesicleとnon-integrated formでは観察されなかった。以上の結果から、マウス切断2分離胚では、内部細胞塊の細胞数が少ないため胎子組織への細胞分化に障害を受けることが示唆された。 2.家畜受精卵(胚)の切断2分離 ウシの桑実胚と胚盤胞65個について切断2分離を行ない、対の片方の胚について染色体標本を作成して性別判定を実施した。その結果、66.2%で分裂中期核板が得られ、38.5%で性別判定が可能であった。性別判定された切断2分離胚15個を15頭のウシに移植した結果、5頭が妊娠し、2頭は妊娠70〜80日で流産したが、残りの3頭から正常な雌子ウシ3頭が生まれた。子ウシの性別は切断2分離胚の染色体検査の結果と一致していた。切断2分離胚の移植によって生まれた雌ウシは、正常に成長し、乳量にも異常は認められなかった。
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