1988 Fiscal Year Annual Research Report
非通常病原体(スクレイピー病原体)の本態に関する研究-病原体精製区画分の解離・再構成による解析、ならびに核酸成分検出の試み
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62480084
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 延夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (70142792)
後藤 仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003072)
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Keywords | スクレイピー病原体 / 精製画分 / 可溶化 / 再構成 |
Research Abstract |
SAFのブタノールへの溶解量は限られていて、1m1当り125ng程度であった。SAFのブタノール溶解物をトヨパールHW55カラムで繰り返し分画を行ない、ドットブロットにより特異蛋白の溶出される画分を検出した。大まかに4群に別れたのでそれぞれを集めてウエスタンブロットにより含まれているSAF蛋白のバンドを調べた。量的な要因が大きいと考えられるが、第3群にだけSAF蛋白のバンドがしかも21kdだけが検出された。この画分に蒸留水を加えて振盪し、上層のブタノールを除いて水層を陰像染色して電子顕微鏡観察を行なったところ、幅およそ15nmの繊維状物から成る、蜘の巣状の構造が観察された。これは可溶化されたSAF蛋白が部分的ではあるが再構成されたものと推定された。 この画分の感染性を調べるためにマウスに脳内接種して現在観察を観察を行なっている。 これまで画分の有機溶媒によるSAFの溶解性を調べたが、解析するに足るだけのSAFを溶解する溶媒を見いだすことが出来なかった。しかし、不十分ながら今回一旦可溶化したSAFから繊維状の構造を構成させたこと、さらにこの画分は量が少なく充分解析が出来なかったが、混在する不純物が除かれていることが期待されるので感染性の有無を知ることが、SAFとスクレイピー病原体との関係を明らかにするうえで重要な手掛かりとなる。 ヒツジSAF遺伝子のcDMAのクローニングを実施しているが、現在までに調整したcDMAライブラリーの10^6個のファージからは積極的に遺伝子陽性と伝えるクローンは得られていない。選択に用いるプローベを検討する(染色体DNAから遺伝子の一部を増幅して取り出す新技術および機器を利用する等)必要がある。
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[Publications] Satoshi,Doi: J.Gen.Virol.69. 955-960 (1988)
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[Publications] Masako,Ito: Microbiol.Immunol.32. 749-753 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Isomura: In preparation.