1987 Fiscal Year Annual Research Report
オウム病クラミジアの分類学的および分子遺伝学的研究
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62480086
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
平井 克哉 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 講師 (10156763)
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Keywords | オウム病 / オウム病クラミジア |
Research Abstract |
オウム病クラミジア鳥類及び哺乳動物由来株について,株間の免疫化学的関連性を単クローン性抗体により明らかにした. セキセイインコ及びハトを中心とする鳥類由来株は3つの血清型に分けられた. 血清型と鳥種の間に対応は認められず,むしろ地理的分布による差が明らかになった. また,哺乳動物由来株は鳥類由来株と明らかに異なる血清型を示した. 一方,この型別成績から,属特異抗原であるリポ多糖体に抗原的多様性が示された. 更に,主要外膜蛋白質が鳥類由来株と哺乳動物由来株で特異性が異なることから,亜種ないし型特異性を担う重要な抗原であることが示された. オウム病クラミジア株間の免疫化学的関連性を高度免疫血清を用いたイムノブロット法により解析した. その結果,オウム病クラミジアには数種類の抗原が存在し,特に分子量約40,000の主要外膜蛋白質が型特異抗原であることを明らかにした. 次いで,主要外膜蛋白質の特異性から,クラミジアは4つの型に分けられた. オウム・インコ類からなるもの,オウム・インコ類及びシチメンチョウ由来株からなるもの,ネコ及びネズミからなるもの,及びウシ由来株からなるものである. ヒツジ由来株は4つの型のいずれにも属さなかった. これらの型は互に交差せず,独立した型特異性を示した. この成績は前述の単クローン性抗体による血清型と一致していた. 以上のように,オウム病クラミジアは免疫化学的性状からいくつかの免疫型に分けられることが判明した. しかも,鳥類由来株と哺乳動物由来株は抗原性が著しく異なることが明らかにされた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Fukushi,H.: Journal of Clinical Microbiology. 25. 1978-1981 (1987)
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[Publications] Fukushi,H.: Journal of Clinical Microbiology. 26. in press (1988)
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[Publications] Fukushi,H.: Journal of Clinical Microbiology. 26. in press (1988)
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[Publications] 熊本悦明: "クラミジア感染症の基礎と臨床,分担課題:鳥類および哺乳動物におけるクラミジア感染症" 金原出版株式会社, 25 (1988)