1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480089
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 純一 大阪府立大学, 農学部, 教授 (90167685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 尋通 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10155252)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学部, 助手 (00137241)
澤田 勉 大阪府立大学, 農学部, 講師 (60081600)
森岡 宏至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081599)
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Keywords | 牛 / 妊娠 / 妊娠因子 / 血清 |
Research Abstract |
牛の早期妊娠因子(early pregnancy factor:EPF)の検出法の検討を行った. すなわち,良好なロゼット形成率を得るために牛リンパ球と異種動物の赤血球の組み合わせを検討した. 牛リンパ球は脾臓および内側咽頭後リンパ節から分離し,低イオン強度液によって死細胞を除去して調整した. 異種動物の赤血球はヒツジおよびヒトから採取した. ヒツジ赤血球は未処理のものと,2ーaminoethy lisothiouronium bromide (AET)で処理したものの2種類を用意した. 次に良好なロゼット形成率を得た牛リンパ球と赤血球の組み合わせを用いてロゼットを形成させるために遠沈後の保温時間の検討および抗牛リンパ球血清(ALS)の選定を行った. ALSは牛の脾臓から分離したリンパ球を抗原として作製した. 牛血清試料は人工授精の当日を妊娠0日とし,授精前および妊娠の各期に採取した. 牛の脾臓から採取したリンパ球はヒツジ赤血球と良好なロゼットを形成した. リンパ節から分離したリンパ球はヒツジ赤血球と最も高いロゼット形成率を示したが,EPFの検出には不適当であった. また,ヒツジ赤血球をAETで処理しても,未処理のものとの間にロゼット形成率の差を認めなかった. ロゼットを形成させるための遠沈を行ってから1時間の保温時間を置くとロゼット形成率は安定した. ALSは15種類作製したが,2000倍希釈においてロゼット形成を50%抑制し,しかも妊娠および非妊娠血清で処理したリンパ球を用いた場合,その両者の間にロゼット形成率の差を認める良好なもの1種類を得た. このようにして得た結果を利用し,牛の妊娠期中のEPF値について予備的検討を行った. すなわち,脾臓から分離したリンパ球を牛血清で処理してリンパ球浮遊液とし,これにALSとモルモット補体を加えてロゼット抑制価(RIT)を測定したところ,妊娠6〜7日ですでにRITが上昇し,EPFの出現を認めた.
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