1988 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ胎子-胎盤系の内分泌学的機能の相関が胎子の発育に及ぼす影響について
Project/Area Number |
62480090
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武石 昌敬 日本大学, 農獣医学部, 教授 (10059173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 香 日本大学, 農獣医学部, 助手 (50179420)
湯川 真嘉 日本大学, 農獣医学部, 講師 (50107249)
津曲 茂久 日本大学, 農獣医学部, 講師 (80120509)
望月 公子 日本大学, 農獣医学部, 教授 (40011811)
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Keywords | ウシ胎子-胎盤 / 内分泌 / 胎子発育 |
Research Abstract |
1.ウシ胎子胎盤、母胎盤、胎子肝のアロマダーゼ活性を測定して、各臓器におけるエストロン産生能を推測した。その結果、胎子胎盤が月令を通し最も活性が高く、母胎盤、肝臓の順であったが、母胎盤、胎子肝臓の活性は、妊娠月令が進につれ、活性の増加率で胎子胎盤より高かった。 2.アロマターゼ活性の測定に際し、サンプルの調整方法を検討したところ、2000xg遠心の上清の活性が10000xg遠心の上清より高い値が得られたが、蛋白重量当りで比較すると10000xg遠心の方が安定性も活性も高かった。 3.胎子副腎のデイスパース細胞を用いてのACTH応答性試験は、成体副腎より困難な事例が多くみられ、一定の成績が得られなかった。しかしながら、胎令が進むにつれてコルチゾール、コルチコステロンの産生能が高くなる傾向がみられた。又、成体副腎ではコルチゾールがコルチコステロンより高い生産性を示したが、胎子ではコルチコステロンが高かった。 4.胎子副腎の光顕観察においては、ズダンIII染色法により脂肪含有量が胎令の進行に伴い増加することより、副腎でのホルモン産生能と関連していることが示唆された。 5.今後の検討事項として、エストロジエンの生成経路を推定するために胎子副腎、肝臓、腎臓、胎盤の3β-HSD、サルファターゼ、サルファキナーゼを併せて測定する。
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