1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480099
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Research Institution | School of Human Sciences, Waseda University |
Principal Investigator |
濱 清 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (90028267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有井 達夫 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10109267)
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Keywords | 神経細胞 / 樹状突起棘 / ゴルヂ染色 / 立体観察 / 三次元定量解析 / 超高圧電子顕微鏡 |
Research Abstract |
1)方法の改良: a)画像強調処理のための従来のシステム(イメ-ジオルシコン型受像器とイメ-ジΣII型画像処理装置)を高分解能テレビシステム(Gatanー622型)とイメ-ジΣIII画像処理装置に改め感度と像質の向上を計った。 b)の今年度は特にゴルヂ染色の他にHRP染色試料についてコントラスト増強法の検討を行ったが充分な成果が得られなかった。引き続いての研究課題である。 2)実験結果: a)超高圧電顕観察と平行してX線顕微鏡観察を明い、光顕と超高圧電顕を結ぶ有効な中間手段であることが分った。 b)神経細胞の他にグリア細胞突起の三次元構築を観察し特記すべき所見を得た。脳幹部網様体の神経細胞体には多数の軸索終末がシナプルを形成していることが知られている。ゴルヂ染色標本の光顕像ではグリア細胞突起が細胞表面を網状にとり囲んでいるのがみられる。1方軸索終末部を選択的に免疫染色した標本では細胞表面に多数の終末が斑点状に見られ、グリア細胞突起とオフセット関係にあることが分る。厚さ5μmのゴルヂ染色標本を超高圧電顕で立体観察すると、神経細胞の表面にはグリア細胞突起の薄枝段壁による立体な網目がつくられており、この隔壁によって神経終末を包む小室ができている。これらの小室の神経細胞に向う底面の一部にはグリア細胞突起の薄枝がみられる。このことは終末と細胞体の間に、シナプス活性部をのぞいてグリア突起が存在するのが見られる超薄切片の所見とよく一致する。 3)結語:ゴルヂ染色の他に神経細胞およびグリア細胞のタイプに特異的な免疫化学染色法を用いた観察により機能形態学の進展が期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hama and T.Arii: "Threeーdimensional morphometical study of dendritic spines of the granule cell in the rat dentate gyrus with HVEM stereo images" Journal of Electron Miroscopy Technique. 12. 80-87 (1989)
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[Publications] K.Hama: "Biological application of high voltage electron microscopy" Journal of Electron Microscopy. 38. S156-S162 (1989)
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[Publications] 有井達夫,浜清: "超高圧電顕による立体観察" 細胞. 21. 188-193 (1989)
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[Publications] 有井庁夫,浜清: "超高圧電顕を用いた立体写真の三次元画像解析" 細胞. 21. 262-268 (1989)
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[Publications] K.Hama: "Threeーdimensional organization of glia cell proces as revealed by high voltage electron microscope stereoーscopy:perineuronal astrocyte in the brain stem reticular formation of rats." Anatomy and Embrylolgy.
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[Publications] K.Hama: "High voltage electron microscopy in cell biology,in XーRay Microscopy in Biology and Medicine,K.Shinohara et,al,eds." Japan Scientific Society PressーSpringer Verlag, 277-283 (1990)