1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480104
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
森 茂美 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80001907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 直威 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60196558)
阪本 尚志 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30170608)
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Keywords | 吻側橋網様核 / 巨大細胞性網様核 / 抑制性介在細胞 / 非相反的抑制作用 / アルファ運動細胞 / 脳幹 / 反響神経回路 |
Research Abstract |
次の3点について研究を展開した。 1:免疫組織科学的手法による解析:脳幹からの出力路であると考えられる延髄の巨大細胞性網様核に順行性の標識物質であるPHA-Lを微小注入し、軸索の下行路、脊髄灰白質における終末線維の走行様式、神経終末の分布様式を解析した。軸索は頸髄の腹外側索を主として下行した。単一軸索についてみると、頸髄・胸髄の灰白質部では分枝をくり返し、主として介在ニューロンが密に存在するRexedのVII及びVIII層に終末線維を送った。一部の軸索から始まる軸索側枝は中心管の背側および腹側を通過し、RexedのVII、VIII層に終わった。 2:神経整理学手法による解析:腰髄部までの軸索を送る延髄巨大細胞性網様核細胞の発射活動を細胞外から導出・記録した。それらの軸索伝導速度は約90m/sであった。次に細胞外から記録された発射活動をtime refernceとして、後枝の伸筋あるいは屈筋支配アルファ運動細胞の膜電位を平均加算した。この研究から巨大細胞性網様核中の巨大出力細胞は腰髄レベルにある抑制性介在細胞を介して、複数のアルファ運動細胞にpostsynaptic inhibitory effectsを及ぼすことが解明できた。 3:神経科学的手法による解析:延髄の巨大細胞性網様核は橋の吻側網様核からの軸索投射をうける。また吻側橋網様核にはcholinoceptive neuronの存在も知られている。この部にcarbaxholを微小注入すると、2で同定した巨大細胞性網様核中の巨大細胞は持続的な発射活動を示すようになった。この細胞の発射活動でアルファ運動細胞の膜電位を平均加算するとIPSPが導出、記録できた。これら3手法から得られた研究成果から、吻側橋網様核→巨大細胞性網様核→抑制性介在細胞→後枝筋支配アルファ運動細胞を結ぶ神経回路が存在し、機能的には非相友的抑制作用を及ぼすことが解明できた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Mori,s.: Progress in Brain Resesrch. 76. 211-220 (1987)
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[Publications] Matsuyama,K.: 460. 124-141 (1988)
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[Publications] Takakusaki,K.: Abst.Soc.Neurosci.14. 180 (1988)
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[Publications] Takakusaki,K.: EXPERIMENTAL Blain Research. 74. 11-23 (1989)
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[Publications] Sakamoto,T.: Neuroscience Research. (1989)
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[Publications] Mori,S.: Brain Research.
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[Publications] Mori,S.: "Poto-medullay and spinal mechanicms of postural suppression in decerebrate, reflexively standing cats.In:"Brainstem,Midbrain,Telenchephalon and Behavior",Ed.by M.Segawa." Sanposha Printing, 213-226 (1988)
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[Publications] Mori,S.: "Integration of posture and locomotion.In:"Posture and Gait":Develppment,Adaptation and Modulation,Ed.by B.Amblard, A.Berthoz,F.Clarac." Elsevir, 341-354 (1988)