1988 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞-上皮細胞ハイブリッドにおけるイオンチャネル形質発現の研究
Project/Area Number |
62480105
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 潤 東京大学, 医学部, 助教授 (50010062)
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Keywords | 細胞融合 / 高圧パルス法による細胞融合 / 神経細胞 / ハイブリッド細胞イオンチャネル形質 |
Research Abstract |
本年は本研究の最終年度にあたり、従って、従来の結果をふまえつつ、新らたな細胞融合を試みるとともに、昨年に得られたハイブリッド細胞のテスト、とりわけイオンチャネル形質発現の検素ならびにニューロフイラメント蛋白の形質発現に重点をおいて研究を遂行した。ハイブリッド細胞の試作にあたっては従来のごとく、2種類の細胞融合法、すなわち、高圧電気的パルスによる細胞融合と、ポリエチレングリコール法による細胞融合法を併用した。ハイブリドーマは、初代培養したマウスないしはニワトリ胚の脊髄後板神経節細胞 (24時間無血清表下で育てたもの) と8アザグアニン耐性を獲得させた上皮性の癌細胞、あるいは8アザグアニン耐性を獲得させたニューロブウストーマ細胞であった。高圧パルス法によって、顕微鏡の直視下で細胞融合を行うしとか出来た。またそうした細胞を少なくとも3日以上にわたって観察しつつ培養が可能となり、細胞融合後に生じて来る細胞の形態的変化を追跡することが出来た。これら細胞に対して、抗ニューロフィラメントに対する抗体を用いて、ABC法あるいはHRRによって関節染色を行うことが出来た。ハイブリッド細胞が出来た直合には不均一な分布をとっているニーロフイラメント蛋白が、細胞融合合事件を追うごとに遺伝は形質発現が細胞全体に拡大していくことが推定された。ガラス管微小電極を用いた電気生理学的手法を用いることによって、ハイブリッド細胞におけるイオンチャネルの発現についても若干であるが検査を行った。ハイブリッド細胞は、細胞融合にはみられなかったNcスパイク、Ccスパイクを発生する能力を有するようになり、また、神経細胞に特有なるイオンチャネルをも膜に獲得することが認められた。こうして、多くの神経細胞に特有な遺伝的形質が、ハイブリッド細胞に伝えられていることが判明し、当初に期待した成果を本年もあげることが出来た。
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[Publications] Fukuda,J.;Keino,K:J.Physiological Society of Japan,. 50. 442 (1988)
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[Publications] Fukuda,J: J.Physiological Society of Japan,. 50. 332 (1988)
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[Publications] Fukuda,J.;Aosaki,T.;Keino,K;Yamaguch i,T.: (Submittedo to the J.Gerontology.).
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[Publications] Hirono,T.;Torimitsu,K.;Kawana,A.;Fukuda,J.: Brain Research. 44. 189-194 (1988)
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[Publications] Matsuda,Y.;Fukuda,J.: Neuroscience Letters. 87. 11-17 (1988)
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[Publications] Fukuda,J.;Hirono,T.;Torimitsu,K.;Kawana,A.: J.Neuroscience.