1987 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ蛙交感神経節におけるコリン性及びペプタイド性神経の機能的連関
Project/Area Number |
62480109
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
赤須 崇 久留米大学, 医学部, 教授 (60113213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時政 孝行 久留米大学, 医学部, 助教授 (50155511)
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Keywords | 異シナプス性伝達調節 / 自律神経節 / コリン性伝達 / ペプタイド性伝達 / 受容体感受性 / アセチルコリン / ガンマアミノ酪酸 / セロトニン |
Research Abstract |
交感神経節内には, コリン作動性神経とペプタイド神経の存在が知られている. 我々はこれまでに, この両者の神経間に異シナプス性の干渉作用があることを示唆する知見を得ている. 今回, 神経刺激により発生するニコチン性シナプス後電位(fast EPSP)とペプタイド性シナプス後電位であるlate slow EPSPを同時に発生させ, 両者間での相互作用を検討した. その結果, fast EPSPの振幅はlate slow EPSP経過中著明に減少した. Fast EPSPのquantal contentはlate slow EPSP経過中に減少していることがわかり, この抑制は, 主にコリン性神経終末からのアセチルコリン(ACh)放出を抑制する, いわゆるシナプス前抑制であることを意味している. 即ち, 一回刺激で放出されるAChの量がペプタイド神経の活動中に減少していることがわかった. Late slow EPSPの伝達物質として知られているLHーRHも同様にACh放出を抑制することが確認され, 両神経間で異シナプス性調節が生理的に起こり得ることを示すことができた. 一方, シナプス後細胞においてはニコチン性受容体感受性が, late slow EPSP経過中むしろ増大しているようである. しかしながらLHーRHを節後細胞に投与すると, ある種の神経節細胞においては, ニコチン性受容体感受性を逆に抑制することが見受けられた. このことは以前の実験においても見られていたことであり, イオンチャネルレベルでの検討が必要となっている. 近年, late slow EPSPの真の伝達物質は, 温血動物物由来のLHーRHとアミノ酸配列が若干異なっているとの報告がなされており, LHーRHの構造類似物質を用いて調べてみたい. ところで我々は, かかる異シナプス性の伝達調節が, 副交感神経節でも存在することを観察している. またこの機構は, 必ずしもコリン性伝達に限られることなく広くGABA神経やセロトニン神経でも存在するようであり, 現在その機構についても分析中である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Akasu.T: Neuroscience Research. 5(Suppl.). 142 (1987)
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[Publications] Ariyoshi.M: Brain Research. 435. 241-248 (1987)
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[Publications] Akasu.T: Pflugers Archiv European Journal of Physiology. 411. 80-87 (1988)
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[Publications] Nishimura.T: Brain Research. 442. 399-402 (1988)
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[Publications] Hasuo.H: Kurume Medical Journal. in press. (1988)
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[Publications] Akasu.T: Comparative Biochemistry and Physiology(A). in press. (1988)
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[Publications] Koketsu.K: "Presynaptic Regulation of Neurotransmitter Release" Freund Publishing House Ltd., (1988)