1987 Fiscal Year Annual Research Report
Ca^<2+>結合蛋白質に関連した分子薬理学の展開
Project/Area Number |
62480117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野々村 禎昭 東京大学, 医学部, 教授 (80009993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 清二 東京大学, 医学部, 助手 (50164306)
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Keywords | プレアリン / アミロライド / ミオシン軽鎖リン酸化 / Caーカルモジュリン依存性リン酸化 / 小脳Ca結合蛋白質 |
Research Abstract |
平滑筋を中心にして,特にカルモジュリン(CMと略す)及び他のCa結合蛋白質を材料として,これに関係したミオシンのリン酸化を指標にして種々の薬物,毒物の作用機序を分子レべルで解明することを目指した. 一方材料を平滑筋から中枢へも広げることを試みた. 機序解明を目指したのは海綿からとられたPurealinとAmilorideである. プレアリンはすでに我々が滝戸と共に平滑筋ミオシンの非リン酸化状態でCaーATPアーゼ,KーEDTAーATPアーゼに特異的に作用し,一方ミオシンフイラメントの解離を抑制することをみていたが,今回はさらにプレアリンがアクテン活性化ミオシンATPアーゼを抑制し,この時ミオシン軽鎖リン酸化も抑えることがわかった. この作用がCM抑制薬として仂いていることを,ミオシン軽鎖のCaーCM無関係リン酸化系では抑制しないこと,CaーCM依存性フォスフォジエステラーゼも抑制することから明らかにした. アミロライドは生平滑筋のK拘縮,カルバコール収縮を抑制するが,スキンファイバーではγーSATPを用いてリン酸化しておくと抑制作用はないこと,ミオシンB超沈澱は抑制するがリン酸化抑制は弱く,一方この抑制はATP濃度増加で拮抗されること,赤血球膜のCaーCM依存性ATPアーゼはCM拮抗薬のトリフルオペラジンで抑制されるのに,アミロライドでは抑制されないことなどからCaーCMを介さない軽鎖チナーゼ直接作用を仮定した. 独立に今後中枢でのCa関連薬理学を進める為に小脳から30KダルトンのCa結合蛋白質の新らしいものをCaオートラジオグラフィーでチェックしながらRNAエース,HPLCゲル〓過を用いて精製に成功した.
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[Publications] H.Ozaki;T.Kojima;T.Moriyama;H.Kusaki;N.Urukuwa;K.Kuhuma;Y.Nokowuru: Journal of Pharmacologl and Experimintal Theropentics. 243. 370-377 (1987)
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[Publications] J.Takito;Y.Ohizumi;H.Nakamura;J.Kobayashi;K.Ebisuwa;Y.Nonomura: Europeun Journal of Phocmucology. 142. 189-195 (1987)
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[Publications] H.Kurokawa;Y.Nonomura: Journal of Biochemistry. 103. 8-10 (1988)