1988 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経におけるモノアミン生合成の調節機構に関する研究
Project/Area Number |
62480124
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀下 勇 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60127941)
飛末 孝正 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30188768)
木谷 隆子 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (70101417)
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Keywords | チロシン水酸化酵素 / カテコールアミン / カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素II / 自己燐酸化 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
カテコールアミン生合成の律速酵素であるテロシン水酸化酵素の活性調節機構について昨年度に引き続き研究を進めた。チロシン水酸化水素はチロシン、酵素、還元型プテエンからドーパを生成する反応を触媒する。この3つの基質と酵素との反応形式を明らかにするため、反応速度論的解析を行ない、3つの基質が互いに独立して酵素と結合した後反応物を生じるランダム機構によって酵素反応が進行することを明らかにした。また天然型のビオプテリンを用い、中性で活性を測定すると生体内濃度のチロシンによって基質阻害が認められるが、この基質阻害のメカニズムを6-フルオロトリプトファンを用いて解析した。これまでの研究でチロシン水酸化酵素はサイクリックAMO依存性蛋白質燐酸化酵素によって完全な不活性型から活性型に転換され、活性が調節されることをラットの組織を用いて示してきたが、この活性化機構がヒトにもあてはまることを示した。 中枢神経機能の調節に中心的な役割ヲ果たしていると推定されるカルモデュリン依存性蛋白質燐酸水酵素IIのcDNAクローニングを行ない、酵素蛋白質をコードする領域の塩基配列を決定して一次構造を明らかにし、アイソフォームとの比較から酵素のドメイン構造を明らかにした。本酵素は自己蛋白質を燐酸化して自らを不活性化する、自己燐酸化による自己活性調節という極めて興味深い機構を備えていることをこれまでに明らかにしているが、この機構の詳細を追究し、酵素が自己燐酸化反応のごく初期にカルモデュリン依存性活性から非依存性に転じること、自己燐酸化反応で進行に伴なって認められる不活性化は分子内生成物阻害によるものであることを明らかにした。本酵素のアイソザイムを脾臓から均一に精製してその蛋白質化科学的性質、酵素学的性質を調べ、脳の酵素と比較した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Kitani,T.: Biochem.Biophys.Res.Commun. 151. 450-457 (1988)
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[Publications] Ymauchi,T.: Biochim. Biophys. Acta. 968. 77-85 (1988)
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[Publications] Shirota,K.: J.Neurochem.51. 426-434 (1988)
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[Publications] Kitani,T.: L. Biochem.(Tokyo). 103. 547-553 (1988)
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[Publications] Nakata,H.: J.Biochem.(Tokto). 104. 457-460 (1988)
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[Publications] Tobimatsu,T.: J. Biol. Chem. 263. 16082-16086 (1988)
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[Publications] Kitani.T.: Biochim.Biophys.Acta.
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[Publications] 藤澤仁: "脳-可塑性と記憶と物質" 朝倉書店, 13-31 (1988)
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[Publications] 藤澤仁: "蛋白質・核酸・酵素カルシウムイオンと細胞機能" 共立出版, 2237-2247 (1988)
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[Publications] Fujisawa,H.: "Advances in Enzyme Regulation" Pergamon Press,
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[Publications] 亀下勇: "Clinical Neurosci" 虫外医学社, 1202-1203 (1988)
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[Publications] Katoh,T.: "Calcium Signal and Cell Response" Japan Scientific Societies Press, 297-300 (1988)