1988 Fiscal Year Annual Research Report
赤芽球でのヘム生合成調節とその病態の研究-δアミノレブリン酸合成酵素の役割
Project/Area Number |
62480129
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 典夫 東北大学, 医学部, 教授 (00004606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堺 正史 東北大学, 医学部, 助手 (20004624)
宗像 浩 東北大学, 医学部, 助教授 (90111294)
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Keywords | δアミノレブリン酸合成酵素 / アイソザイム / 赤芽球 |
Research Abstract |
1)ラット赤血球型δアミノレブリン酸合成酵素(ALA)合成酵素の精製とその性質:赤血球型ALA合成酵素がフェニルヒドラジン処理貧血ラットの網状赤血球画分からパパイン消化を伴う方法により、活性をもった状態で、精製されることを昨年報告した。本年度はその方法に若干の改良を加え、収率を高めるとともに、僅かに含まれていた不純物を十分に除くことができた。このようにして得た赤血球型酵素の精製標品の性質を同様な方法で高度に精製した肝型酵素と比較すると、分子量はクロマトグラフィー上の態度が互いに異っているほか、比活性においては、赤血球型の方が肝型よりも2倍程高いことが知られた。一方、免疫学的性質については、従来抗ラット肝型ALA合成酵素抗体は赤血球型酵素とは交又反応を示さないとされていたが、精製酵素標品についてwestern blot法により検討した結果、両型酵素は抗肝型酵素ポリクローン抗体に対し、ほぼ同程度の反応性を示すことが明らかとなった。なお、ラット赤血球型酵素精製標品について、その一次構造を検討中である。 2)ラット赤血球型ALA合成酵素cDNAのクローニング:貧血ラットの脾から得た赤芽球画分のpolyA(+)RNA画分より、λgt10ファージをベクターとしてcDNAライブラリーを作成し、ニワトリ赤血球型ALA合成酵素cDNAクローンや合成オリゴヌクレオチドをプローグとしてスクリーニングを試みたが、明確な陽性クローンは検出されなかった。そこで、1)での知見に基き、同様に作成したλgt11発現ライブラリーについて、抗ラット肝型ALA合成酵素抗体を用いて、コニカイムノステイン法によりスクリーニングを行ったところ、いくつかの陽性クローンを得ることができた。現在、これらのcDNAクローンの一次構造などについて検討中である。
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Research Products
(2 results)