1988 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞の亜群相互間における形質転換の機構に関する研究
Project/Area Number |
62480141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 潤 大阪大学, 医学部, 助教授 (50173430)
仲野 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (00172370)
金倉 讓 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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Keywords | 肥満細胞 / 結合組織型肥満細胞 / 粘膜型肥満細胞 / ヘパリン / コンドロイチン硫酸 / 肥満細胞欠損マウス / 肥満細胞の分化 |
Research Abstract |
1)正常(+1+)マウス9腹腔細胞から比重勾配遠心法により、肥満細胞のみを精製した。この腹腹肥満細胞は典型的な結合組織型の肥満細胞であるがILー3とILー4が共存するとメチルセルローズ中でコロニーを形成する。この肥満細胞コロニー中では顆粒がベルベリン硫酸で染まる結合組織型の肥満細胞とアルシアンブルーのみで染まる粘膜型の肥満細胞が共存するが、コロニー中の肥満細胞を浮遊培養に移すとベルベリン硫酸で染まる細胞はなくなり粘膜型の肥満細胞のみが増殖を続ける。肥満細胞が合成しているプロテオグリカンの性質をしらべると、腹腔肥満細胞がヘパリンプロテオグリカンを合成していたのに対して、腹腔肥満細胞から、由来した培養肥満細胞はコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを合成していた。次に腹腹肥満細胞から得た培養肥満細胞を肥満細胞を欠損するW/W^vマウスの腹腔に注射した。注射後10週経過すると、W/W^vマウスの肥満細胞はすべてベルベリン硫酸で染まるようになった。すなわち結合組織型肥満細胞は粘膜型を経て、結合組織型にもどることができるわけである。このような肥満細胞の表現型の変化は結合組織型から出発しても可能だし、粘膜型から出発しても可能である。しかし形質転換は無限に可能なわけではない。形質転換をおこすには肥満細胞が増殖力を持っていなければならないが、肥満細胞の増殖能力は有限だからである。2)肥満細胞を同定するためには顆粒の染色性にたよっている。我々は以前結合組織型肥満細胞をW/W^vマウスの胃壁に注射すると、結合組織型肥満細胞が一旦消失してから、粘膜には粘膜型肥満細胞が、筋層には結合組織型肥満細胞が出現することを観察している。そこで形質転換の過程には脱顆粒した状態が存在するかもしれないと考え、脱顆粒した肥満細胞の増殖能力をしらべた。肥満細胞の増殖能力は脱顆粒により低下することはなかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kanakura,Y.: Blood. 72. 877-885 (1988)
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[Publications] Yamamura,T.: Journal of Investigative Dermatology. 91. 269-273 (1988)
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[Publications] Kanakura,Y.: Blood. 71. 573-580 (1988)
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[Publications] Fujita,J.: Journal of Cellular Physiology. 134. 78-84 (1988)
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[Publications] Fujita,J.: Blood. 72. 463-468 (1988)
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[Publications] Kitamura,Y.: Annual Review of Immunology.
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[Publications] Kitamura,Y.: "Unique features in differentiation of mast cells.In Cell Differentiation,Genes and Cancer" IARC., 203pp.11-19 (1988)
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[Publications] Kitamura.Y.: "Mechanisms of mast cell deficiency in mutant mice of W/W^v and Sl/Sl^d genotype.In Mast Cell and Basophil Differentiation and Function in Health and Disease." Raven Press.,