1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480145
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Research Institution | 国立衛生試験所 |
Principal Investigator |
林 裕造 国立衛生試験所, 病理部, 部長 (40142129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 昭彦 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30106182)
今井田 克巳 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (90160043)
高橋 道人 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30080005)
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Keywords | 4-hvdroxyaminoquinoline 1-oxide / peliosis adrenalis / ACTH / 大豆トリプシン阻害物質(SBT1) / basophilic acihar foci |
Research Abstract |
細胞老化が遺伝子障害の蓄積あるいは老化遺伝子の発現によると仮定すると、DNA障害を起こす物質は標的器官/組織におる加齢性病変の発現もしくは進展を促進すると予想される。この可能性を示唆する所見として、4-Hydroxyaminoquinoline 1-oxide(HAQO)の投与により、加齢性変化に類似する器官病変がラットの副腎(peliosis adernalis)及び膵(basophilic acinar foci)に発生する事実を報告した。本年度は、これら病変の発現もしくは進展に対し各器官のgrowth/trophic factorがどのように影響するかについて検討した。 6週齢の雌SDラットにHAQO7mg/kgを1回静注し、1週後より持続性合成ACTH0.2mg/kgを週6回皮下注射した。別にHAQOのみ、ACTHのみの群も設けた。20、30及び40週目に各群の10匹ずつを屠殺して副腎皮質を病理組織学的に検索した。HAQO単独投与群ではpeliosis adrenalSが60%以上の例にみられ、病変の程度は時間とともに増強を示した。一方、HAQOとACTHの併用群では30週目に屠殺した1例の副腎皮質に軽度の血管拡張巣が認められたに過ぎなかった。なおACTH単独投与群にはpeliosis S様の変化はなかった。 6週齢の雄SDラットにHAQO7mg/kgを1回静注し、その後大豆トリプシン阻害物質(SBT1)を10%の割合で混じた飼料を与えた。別にHAQO及びSBT1のみを与えた群も設けた。50週目に屠殺し、膵を病理組織学的に検索した結果、HAQO/SBT1群におけるbasophilic acinar fociの発生個数がHAQO単独群に比し1/20以下に減少する事実を認めた。 以上の成績からgrowth(trophic) factorは各標的器官の加齢性病変の発生もしくは進展に対し抑制的に作用する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Kasai;Y.Hayashi;et al.: Carcinogenesis. 8. 1959-1961 (1987)
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[Publications] Y.Kurokawa;Y.Hayashi;et al.: Journal of the American College of Toxicology. 6. 489-501 (1987)
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[Publications] H.Sato;Y.Hayashi;et al.: Cancer Lett.38. 49-56 (1987)
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[Publications] R.Hasegawa;Y.Hayashi;et al.: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 79. 320-328 (1988)
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[Publications] R.Hasegawa;Y.Hayashi;et al.: Toxicology. 51. 155-165 (1988)