1988 Fiscal Year Annual Research Report
抗日本住血吸虫モノクローナルIgE抗体の感染防御作用に関する研究
Project/Area Number |
62480147
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小島 荘明 千葉大学, 医学部, 教授 (00009622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 英一 千葉大学, 医学部, 助手 (00110304)
小林 仁 千葉大学, 医学部, 助手 (80009654)
新村 宗敏 千葉大学, 医学部, 助教授 (60059095)
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Keywords | 日本住血吸虫 / モノクローナルIgE / 感染防御 / 抗体依存性細胞傷害作用 / マクロファージ |
Research Abstract |
抗日本住血吸虫モノクナールIgE抗体(ST18ε.1)の感染防御作用を明らかにするため、下記の点について検討した。1)モノクローナルIgE抗体の精製:陰イオン交換クロマトグラフィとゲル濾過を組み合わせた高速液体クロマトグラフィーシステム(FPLC)を用いて、ハイブリドーマ移植マウス腹水中に産出される抗体の精製を試みた結果、本抗体は陰イオンカラム(MonoQ)では0.133M〜0.193MNaCl分画に溶出され、これをSuperoseでゲル濾過することにより、単一分画として精製できることが判明した。2)In vivoにおける防御免疫の誘導、とくにSJ18ε.1投与マウスにおけるシストソミュラ殺滅部位:SJ18ε.1を用いて受動免疫を誘導した場合のシストソミュラ殺滅部位について検討した。その結果、本抗体を攻撃感染初期に腹腔内投与した群で最も著しい防御効果が得られること、in vitroで認められるマクロファージによる本抗体依存生シストソミュラ殺滅作用に対し、肺から回収したシストソミュラが強い抵抗性を示したことなどから、本抗体による防御効果は、皮膚から肺に侵入する迄の時期のシストソミュラに対して発現されるものと考えられた。3)In vivoニオケル防御免疫の細胞免疫悪的機序、とくにC57BL16マウスにみられた低応答性の機序:X線照射セルカリアを用いるワクチン誘導免疫モデルにより、C57BL16が、マンソン住血吸虫感染に対する場合と異なり、日本住血吸虫感染に対しては防御免疫に関し低応答性を示すことを明らかにした。また、その機序として、マイクロファージの抗体依存性シストソミュラ殺滅作用に欠陥のあることが、SJ18ε.1を用いて示された。4)防御抗原の解析と抗原遺伝子クローニングの試み:SJ18ε.1の認識する97kDa抗原分子は、アスパラギン結合型複合糖鎖を有することを明らかにした。成虫総RNAよりpoly(A)^+RNAを得たが、この中に防御抗原遺伝子由来のmRNAが存在するか検討中である。
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[Publications] Kojima,S;et al.: J.Immunology. 139. 2044-2049 (1987)
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[Publications] Kojima,S;et al.: Mem.Inst.Oswaldo Cruz. 82(SupplIV). 237-241 (1987)
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[Publications] Kojima,S;et al.: Am.J.Trop.Med.Hyg.38. 92-96 (1988)
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[Publications] Niimura,M.;et al.: Parasitol.Res.74. 271-276 (1988)
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[Publications] Kobayashi,M.;et al.: Trans.R.Soc.Trop.Med.Hyg.82. 300-302 (1988)
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[Publications] Hata,H;Kojima,S: J.Parasitol. 75. (1989)