1987 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドグリカンに共有結合したポリアミンの生理化学的研究
Project/Area Number |
62480153
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 農学部, 助教授 (00109175)
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Keywords | ポリアミン / カダベリン / プトレシン / セレノモナス / バイロネラ菌 / ペプチドグリカン / カダベリン転移酵素 |
Research Abstract |
本研究代表者は, グラム陰性の嫌気性菌Selenomonas ruminantiam及びVeillonella alcalescensのペプチドグリカンにポリアミンであるカダベリンもしくはプトレシンが共有結合して存在することを世界ではじめて発見した. しかもVeillonellaにおけるポリアミン要求性は, 本菌におけるポリアミン含有ペプチドグリカンの生合成にあることを明らかにした(文献1). さらに, カダベリンもしくはプトレシンをその生育に要求するV.alcalescensを使用して, カダベリン含有ペプチドグリカンと会合しているレセプターの存在を確認した. このレセプターはin vivoにおいて, プトレシン, カダベリン及びジアミノヘキサンと共有結合したペプチドグリカンを選択的に認識していることが明らかになった(文献2). 今後, このレセプターを分離同定し, 生化学的にその性状を明らかにする予定である. 上記の菌において, ポリアミンがペプチドグリカンに共有結合する反応に関与する酵素は以前に, 本研究代表者により, ペプチドグリカン:カダベリン転移酵素と命名されたが, この酵素をコードする遺伝子DNAを, 上記菌から分離精製された染色体DNAのgene bankからクローニングし, 分子生物学的に, 本酵素の性質が追求されている. 今後, セレノモナス菌から, 本酵素の欠損株を分離し, この欠損株に, 上記酵素をコードス可遺伝子を形質転換し, この形質転換菌を用いて, ポリアミン結合ペプチドグリカンの生理化学的な役割についてさらに立入った解析を行なう予定である.
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Research Products
(2 results)