1989 Fiscal Year Annual Research Report
Bacteroides属の病原性に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
62480154
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 武美 徳島大学, 医学部, 講師 (80136217)
小野 恒子 徳島大学, 医学部, 助手 (40035514)
秋本 茂 徳島大学, 医学部, 講師 (10159337)
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Keywords | 偏性嫌気性菌 / バクテロイデス / 病原性 / ノイラミニダ-ゼ / 遺伝子クロ-ニング / DNA塩基配列 / 易動化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1.Bacteroides fragilis YCH46株のノイラミニダ-ゼ遺伝子(nanH)をコスミドベクタ-pHC79にクロ-ン化して得られたプラスミドpOT2633を用いてnanH遺伝子のサブクロ-ニングを行った。その結果、nanH遺伝子は2.1kbのXhoI-KpnI断片上に存在していた。 2.nanH遺伝子を含む領域のDNA塩基配列を決定したところ、296個のアミノ酸をコ-ドする888bpのopen reading frame(ORF)が存在し、これがnanH構造遺伝子の可能性が高いものと思われる。このORFより推定されるアミノ酸配列と既知の細菌ノイラミニダ-ゼとを比較したが、相同性の認められるものはなかった。今後B.fragilisよりノイラミニダ-ゼを精製してアミノ酸配列の一部を決定し、nanH遺伝子の構造遺伝子の決定を行う予定である。 3.大腸菌とBacteroidesとのシャトルベクタ-pVAL-1に、nanH遺伝子を含む5.4kbのBamHI-SalI断片を挿入したプラスミドpKK105で大腸菌HB101(R751)株を形質転換し、nanH^+のKK105株を得た。このKK105株からノイラミニダ-ゼ陰性のB.uniformis BU1001株にnanH遺伝子を易動化によって伝達し、ノイラミニダ-ゼ陽性のTY105ー119株を得た。大腸菌KK105株ではノイラミニダ-ゼ活性は原菌株YCH46の約40分の1であったが、B.uniformisTY105ー119株ではYCH46と同程度の活性を示した。pKK105を保持する大腸菌とBacteroidesとの間でノイラミニダ-ゼ活性に差があることから、両菌種間でnanH遺伝子の発現機構に違いがあると思われるので、今後その点について検討したいと考えている。
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[Publications] Ono,T.: "Cloning and expression of the Bacteroides fragilis neuraminidase gene nanH in Escherichia coli." Microbial pathogenesis. (1990)
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[Publications] Akimoto,S.: "Transformaion of Bacteroides thetaiotaomicron by electroporation." Microbiology and Immunology. (1990)
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[Publications] 小野恒子: "Bacteroides fragilisのノイラミニダ-ゼ遺伝子のクロ-ニングと大腸菌からBacteroidesへの伝達" 嫌気性菌感染症研究. (1990)