1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山西 弘一 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10029811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 公康 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50135745)
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Keywords | 水痘帯状疱疹ウイルス / 糖タンパク / セルレニン / 脂肪酸 / ワクチニアウイルス |
Research Abstract |
本年度の研究は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)主要糖タンパク(gp)の細胞内での成熟過程の解析及び組換えDNA手法を用いてのgpの生物学的解析である. 1.糖タンパクの感染細胞内での脂肪酸付加によるposttranslational processing:VZV gpには4種の主要gpが報告されているが我々はこの中3種のgpについて解析を行ったきた. 本年は脂肪酸の付加についての解析を行った. まず感染細胞を〔^3H〕パルミチン酸でラベルレ細胞をdetergentで溶解した後モノクローン抗体を反応させ更にSDSーポリアクリルアミド電気泳動法(PAGE)にて分析した. その結果3種のgp共に脂肪酸が付加されることが判明した. この中gpIは濃くラベルされgpII,IVは少なくラベルされた. 次に脂肪酸の生合成阻害剤であるセルレニンを用いてVZVの増殖及びposttranslatinal precessingに与える影響を解析した. その結果セルレニンは細胞中のタンパク合成を阻害しない範囲でもウイルスの増殖を抑え, 細胞内に未熟糖タンパクを畜積させた. このことよりウイルスタンパクの成熟には脂肪酸の付加が必須であることが判明した. 2.VZV gpIのtranscriptional mapとgpIの免疫学的解析:ウイルス感染細胞よりRNAを調整しgpIを含むウイルスDNA Us領域のプローブを用いnorthern blot解析を行った. その結果ウイルス感染細胞の5.0,3.6,2.15キロベース(kb)のmRNAとgpIーDNAはハイブリダイズした. 次にこれらのmRNAをハイブリッド選択法にて選択しin vitroでタンパク合成を行わせモノクローン抗体を用いて解析した結果, 215kb mRNAよりgpIタンパクが合成されることが判明した. 次にgpI DNAをワクチニアウイルスDNAに組込みワクチニアウイルスとの組換えウイルスを作製した. 更にこのウイルスを家兎に免疫しその抗体を用いてgpIの免疫学的解析を行った. その結果得られた抗体は補体存在下で中和能を有していた. このことよりgpIは免疫学的にも重要な糖タンパクであることが実証された.
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Research Products
(2 results)