1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480162
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Research Field |
Immunology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正孝 東北大学, 医学部, 助手 (30180392)
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Keywords | ILー2 / ILー2受容体 / Cキナーゼ / フォルボールエステル / リン酸化蛋白 |
Research Abstract |
本年度はヒトILー2依存性T細胞株(ILTーMat)を用いて, 高親和性ILー2受容体(ILー2)の解析, ILー2による蛋白リン酸化反応さらにILTーMat細胞から得られた変異株(TPAーMat)の増殖シグナル伝達機構の解析を行った. 1.ILー2処理によってリン酸化を受けるpp67とpp63sのリン酸化は高親和性ILー2RあるいはILー2R p75を介していることが分った. 従って, リン酸化反応からみてもシグナル伝達に関わっているのはILー2Rサブユニットの中でもp55ではなく, p75といえる. pp67とpp63sのリン酸化はCキナーゼによるものと推察された. 2.通常のシグナル伝達機能を担う高親和性ILー2Rはp55とp75の複合体であるが, これらp55とp75複合体形成はWGAやp55に対する単クロン抗体で前処理することによって形成阻害される. これらの結果は高親和性ILー2RはILー2結合を介して形成されるという考えを支持する. 3.ILTーMat細胞をILー2の代りにフォルボールエステル(TPA)含培地で培養し, TPA依存性細胞株(TPAーMat)を樹立した. TPAーMat細胞の増殖はILー2によっても促進されるが, TPA依存性増殖時に自分でILー2を産生しながら増殖するという機構は存在しない. TPAーMat細胞の増殖はTPAばかりではなく他のCキナーゼ活性化特質としても知られているフォルボールエステル, 非フォルボールエステルによって例外なく促進され, Cキナーゼ活性化能を有しないフォルボールエステルでは促進されない. 従って, TPA等による細胞内Cキナーゼ活性化がTPAーMMat細胞の増殖シグナル伝達に直関接わっているものと考えられる. TPAーMat細胞はILー2依存性細胞でもあることからILー2Rからの増殖シグナルとTPAによるCキナーゼ活性化を介した増殖シグナルとの異同が注目され, 現在これらの点を中心に解析中である.
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[Publications] Ohtani.K;Nakamura.M;Saito.S;Noda.T;Ito.Y;Sugamura.K;Hinuma.Y: EMBO J. 6. 389-395 (1987)
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[Publications] Ogawa.R;Sugamura.K;Watanabe.K: J.Exp.Med. 65. 959-969 (1987)
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[Publications] Hemmi.H;Nakamura.T;Tamura.K;Shimizu.Y;Kato.S;Miki.T;Takahashi.N;Muramatsu.M;Numano.N;Sugamura.K: J.Immunol. 138. 664-666 (1987)
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[Publications] Ishii.T;Kohno.M;Nakamura.M;Hinuma.Y;Sugamura.K: Bioch.J. 242. 211-219 (1987)
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[Publications] Takeshita.T;Goto.Y;Nakamura.M;Fujii.M;Iwami.M;Hinuma.Y;Sugamura.K: J.Cell.physiol.
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[Publications] Ishii.K;Takeshita.T;Nunata.N;Sugamura.K: J.Immunol.