1988 Fiscal Year Annual Research Report
Anti Sense RNAを用いたクラスII主要組織適合抗原の生物学的役割の解析
Project/Area Number |
62480163
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 神戸大学, 医学部, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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Keywords | クラスII主要組織適合抗原 / Ia抗原 / anti-sense RNA / 遺伝子導入 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
クラスII主要組織適合抗原(Ia抗原)の生物学的役割をより明らかにするために以下に示す順序で研究をすすめてきた。 1.Ia抗原の発現調節可能なanti-sense RNAのシステムを確立する。 2.上記のanti-sense遺伝子をもつトランスジェニックマウスを作製する。 3.このトランスジェニックマウスにおける免疫異常を検索する。 すでに昨年度IーAβ鎖をコードする遺伝子の5'UT部をanti-senseとして用いることによりIn vitroの系で効率よくIa抗原の発現を調節する系が確立出来た。そこで、今年度はより効率良くIa抗原発現調節効果の得られる遺伝子の部位の検索と、上述のanti-sense遺伝子をもつトランスジェニックマウスの作製を試みた。その結果、 1.IーAβ鎖の3'UT部を用いても5'UTと同程度のIa抗原発現調節効果が得られた。 2.IーAβ鎖のβ_1ドメイン部では調節効果が得られなかった。 3.anti-sense RNAと内因性のsense RNAの量比がIーA分子発現抑制の程度と相関していた。 4.5'UT部のanti-sense遺伝子をC57BL/6、SJL F1マウスの受精卵に導入して13系統のトランスジェニックマウスを確立した。この内、3系統のマウスにおいてそれらの脾細胞上のIa抗原の量の低下が見られた。 現在、これらのIa抗原の低下が見られているマウスの免疫能を検索するとともに、新たにIn vitroの系で調節効果の確認された3'UT部を5'UTと一緒にしてC57BL/6マウスの受精卵に導入することにより、よりIa抗原の発現抑制の強いトランスジェニックマウスの作製を試みている。また、それまで用いたヒトメタロチオネイン遺伝子のプロモーターから、生体内でプロモーター活性の強いβーアクチンのプロモーターに組み換えたanti-sense遺伝子も受精卵に導入している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ruther,U.;et al.: Cell. 53. 847-856 (1988)
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[Publications] Hatano,M.;et al.: Int.Immunol.(1989)
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[Publications] 脇田和幸 他: 日本免疫学会誌. 18. 751 (1988)
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[Publications] 幡野雅彦 他: 日本免疫学会誌. 18. 752 (1988)
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[Publications] 徳久剛史 他: 日本免疫学会誌. 18. 753 (1988)
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[Publications] 徳久剛史 他: 日本分子生物学会誌. 11. 173 (1988)
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[Publications] Tokuhisa,T.;et al.: "Specific inhibition of the major histocompatibility complex(MHC)expression by anti-sense RNA." Proceedings of the 7th seminar on Science and.Technology"Molecular Biology", 249-262 (1988)
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[Publications] 徳久剛史 他: "トランスジェニック マウス" 千葉医学会誌, 65-69 (1988)