1988 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞レセプター遺伝子を用いたT細胞分化の分子機構の解析
Project/Area Number |
62480167
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90158402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 和人 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50117165)
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Keywords | T細胞分化 / T細胞抗原レセプター / 放射線照射骨髄移植キメラマウス / 胸腺移植ヌードマウス |
Research Abstract |
成熟個体におけるT細胞分化の分子機構を解明するために、放射線照射骨髄移植キメラマウスおよび胸腺移植ヌードマウスに発現されるT細胞レセプター(TcR)を解析した。AKR/J(H-2^K,Thy1・1,Mls^<a/b>)マウスの骨髄細胞を致死量の放射線を照射したC3H/He(H-2^K,Thy1・2,Mls^<b/a>)マウスに投与したAKR→C3Hキメラマウスでは、胸腺細胞は投与後21日で、末梢T細胞は56日目でドナー型に入れ替わった。逆のC3H→AKRの組み合わせでも、ほぼ同様のCell kineticsが認められた。AKR→C3HおよびC3H→AKRキメラマウスの末梢T細胞が、ホスト側、ドナー側のどちらにトレランスとなっているか、Mls^<a/b>に対応するV_<β6>T細胞およびMls^<b/a>に対応するV_<β3>T細胞の末梢での発現の程度を調べた。その結果,AKR→C3H、C3H→AKRともにV_<β6>-T細胞、V_<β3>-T細胞の末梢での発現が認められず、キメラマウスでは、ホスト側、ドナー側両方に対してT細胞はトレランスになっていることが明らかとなった。さらにトレランスがどこでおきているかを調べるために、キメラマウスの胸腺でのV_<β6>陽性のCD_4またはCD8陽性胸腺細胞は認められず、キメラマウス早期の胸腺でトレランスが成立していることがわかった。さらにトレランスがどの時期のどのような胸腺細胞で起っているかを検討するために、AKR→C3H、C3H→AKRキメラマウス14日目のドナー型胸腺細胞よりcDNAライブラリーを作製し、β鎖をコードするcDNAのVレパートアーを解析した。その結果,C3H胸腺下で分化・増殖しているblast様CD4^+8^+胸腺細胞に発現されるV_βレパートアーとAKR胸腺下で分化・増殖しているblast様CD4^+8^+胸腺細胞のような比較的早期の胸腺細胞ですでにT細胞の選択がはじまっている可能性が示唆された。胸腺移植ヌードマウスでも同様に胸腺側とホスト側へのT細胞のトレランス成立を見出だした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Matsuzaki,G.: J.Immunol.140. 384-388 (1988)
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[Publications] Kishihara,K.: Eur.J.Immunol.18. 841-847 (1988)
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[Publications] Yoshikai,Y.: Eur.J.Immnuol.18. 1039-1043 (1988)
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[Publications] Matsuzaki,G.: Eur.J.Immnuol.18. 1779-1783 (1988)
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[Publications] Yoshikai,Y.: Immunology. (1989)
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[Publications] Yuuki,H.: J.Immunol.(1989)
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[Publications] 吉開泰信: "Immunohematology" 近代出版, 3608-3610 (1988)
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[Publications] 吉開泰信: "バイオサイエンスとインダストリー" バイオインダストリー協会, 124-130 (1988)