1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 美恵子 京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 克彦 京都大学, 医学部, 助手 (10200883)
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
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Keywords | ビタミンK欠乏症 / ビタミンK測定法 / ビタミンK欠乏症予防法 / 母体血臍帯血カルシウム / 胎盤中カルシウム / ミネラル類 |
Research Abstract |
血液凝固系に関与するビタミンK類の欠乏は特に新生児消化管出血や乳児頭蓋内出血で問題が大きく、しかも、母乳栄養児に高頻度に認められることから、母乳栄養推進の一つの障害ともなっている。また、現在当疾患の治療・予防には新生児や乳児へのビタミンK類(K1又はNK4)の投与が行なわれているが、ビタミンKの注射によるショック死の報告も多々あり、どの様なKを何時、どの様な方法で与えたのが最適か等目下議論の多いところである。昨年度はビタミンK類の3種類の生体試料中測定法を開発し、胎児及び母体をとりまくK類について検討、母体側にはK_1、MK-4、MK-6、MK-7が、両側と考えられる胎盤等にはK_1、MK-4が多く、胎児側及び母乳にはK_1、MK-4が検出されたことを報告した。本年度は加えて胎児側の胎脂についても検討したところ、MK-4のみが検出された。次に、児のビタミンK欠乏性疾患のより良い予防法について検討を加え、ビタミン類を豊富に含む納豆を分娩前に毎日摂取させた産婦の血清及び臍帯血中ビタミンK類は高値を示したことから、これら母体のビタミンK欠乏症はKの摂取不足であることを示した。また、陣痛発来の分娩前の妊婦へのMK-4の経静脈点滴投与またはビタミンK(K_2シロップ)製剤の経口投与により、母体並びに剤帯血中、母乳中K類の有意な上昇が確認され、新生児・乳児ビタミンK欠乏症の予防には危険の伴う児へのビタミンK投与よりも、出産前の母体へのビタミンKの投与がより安全かつ有効であることを明らかにした。引続き、ビタミンK類の機能・代謝に密接な関係を持つことが知られているカルシウム、あわせて、その他ミネラル類(MgーP、Fe、Zn、K)の母体血、臍帯血、胎盤中分布を測定し、ビタミンK類との関係、胎盤におけるカルシウム沈着とビタミンK類、血中ミネラル類との関係等についても検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Hiraike;M.Kimura;Y.Itokawa: Amer.J.Obestet,Gynecol.158. 564-569 (1988)
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[Publications] H.Hiraike;M.Kimura;Y.Itokawa: J.Chomatogr. 430. 143-148 (1988)
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[Publications] 平池秀和,木村美恵子,糸川嘉則: 微量栄養素研究. 5. 115-119 (1988)
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[Publications] 平池秀和,木村美恵子,糸川嘉則: ビタミン. 63. 25-28 (1989)
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[Publications] 平池秀和,横井克彦,関根健二,S.M.Ahmed,佐田文宏,木村美恵子,糸川嘉則: マグネシウム. 7. 9-14 (1988)
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[Publications] 平池秀和,関根健二,S.M.Ahmed,佐田文宏,木村美恵子,糸川嘉則: マグネシウム. 6. 45-50 (1987)