1988 Fiscal Year Annual Research Report
抗イディオタイプ・モノクローナル抗体による患者血清中抗体の解析と臨床応用
Project/Area Number |
62480191
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Research Institution | Sapporo Medical College |
Principal Investigator |
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40191928)
杉山 敏郎 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00196768)
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10165128)
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60117603)
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Keywords | 抗イディオタイプ抗体 / モノクローナル抗体 / 自己抗体 |
Research Abstract |
研究者らはこれまで抗HLA、抗メラノーマ抗体に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗イディオタイプ(Id)抗体の解析を行ない報告してきた。この結果を基礎として、抗Id抗体の各種癌および自己免疫疾患に対する臨床応用への可能性追求を目的とした。すなわち、研究者らが確立した抗CEA糖鎖モノクローナル抗体5B3および抗腫瘍関連アシアロ糖鎖モノクローナル抗体YH206をKlHと結合させBALB/Cマウスに免疫して細胞融合法により抗Idモノクローナル抗体を作製した。また、これら抗Id抗体を利用し、担癌患者血清中の抗CEA抗体、抗YH206抗体を検出するdouble determinant immunoassayあるいはinhibition assayを確立した。さらに患者血清パネルを検索し、すでに集積しているCEA,YH206抗原の結果を比較検討し、抗原陰性ないし低値群で抗体が高頻度に出現している傾向を見い出した。現在、自己免疫疾患患者のB cellあるいはイムノグロブリンから自己抗体を精製し、これに対する抗Idモノクローナル抗体を確立し、交又反応性Idを確認する抗Id抗体を選択しつつある。 以上の研究は患者血清中抗体の解析に有用であるばかりではなく、自己免疫疾患や癌に対する治療にも応用可能となる可能性がある。一方、抗抗Id抗体の治療実験を行ない得るマウス同系腫瘍(メラノーマB16)とFerrone 教授(New York Medical College)との共同研究で、抗抗Id抗体を癌患者に投与し、抗Id抗体が患者血清中に検出され、かつ一部の例で抗腫瘍効果が認められ、注目された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yachi,A.;Imai,K.;Ban,T.;Endo,T.;Sugiyama,T.;Hinoda,Y.: J.Tumor Marker Oncol.2(3). 181-186 (1988)
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[Publications] Hinoda,Y.;Imai,K.;Ban,T.;Endo,T.;Yachi,A.: Int.J.Cancer. 42(5). 653-658 (1988)
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[Publications] Endo,T.;Imai,K.;Ikuta,S.;Furukawa,S.;Takahashi,H.;Takahashi,T.;Yachi,A.: Jpn.J.Clin.Oncol.18. 51-58 (1988)
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[Publications] Imai,K.;Ban,T.;Hinoda,Y.;Sugiyama,T.;Yabana,T.;Hirata,K.,;Wada,T.;Yachi.A.: Cancer. (1989)
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[Publications] Imai,K.;Ban,T.;Hinoda,Y.;Sugiyama,T.;Endo T.;Yachi,A.: Cancer Res.(1989)