1987 Fiscal Year Annual Research Report
HTLVーI associated myelopathyの臨床と発現機序の研究
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62480208
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (30143811)
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Keywords | HTLVーI / HAM / 痙性脊髄麻痺 / レトロウィルス / スローウィルス / ミオパチー / HTLVーIーassociated |
Research Abstract |
1)輸血との関連:HAMの自験例が23例となった時点で検討した結果,HAM発症前の輸血の既往のあった症例は9例(39%)であり,対照群のATL群では23例中1例,一般入院患者では33例中1例,健常群では296例中8例に輸血歴を認めるのみで,いずれの群と比較してもHAMでは有意に輸血歴の頻度が高かった. 2)疫学的事項:当教室のHAM自験例は85例で男女比は27:58,年令は18〜78才(平均52才),発症年令は6〜75(平均37才),病脳期間は4か月から55年(平均15.6年)であった. このうち鹿児島県在住の患者は81名で,2000〜3000人のHTLVーIキャリアーに1人のHAM患者が存在すると推計した. HAMに関する全国疫学調査では,1次調査の結果,320例が集計された. HAMの患者分布は,ATLの患者分布ならびにHTLVーIキャリアーの頻度分布のいずれとも極めて相関する分布を示した. 3)若年発症群の存在:自験85例を輸血群(18例)と非輸血群(67例)に分けて発症年令で比較すると,非輸血群は有意に若く,この理由は,非輸血群に若年発症群が存在することにある. このなかでも特に若く6〜14才に発症した13例のうち,検索しえたその母親6例の全例で抗HTLVーI抗体が陽性であり,若年発症群が母子垂直感染群であるとの仮説に適合した. 非輸血群中,15才以上の54例は性交感染と母子感染の混合群であると結論した. 4)経口副腎皮質ホルモン療法:治療を行なった65例中20%で著効,9%で無効,71%でその中間の有効を示した. よってその発症機序に免疫学的機序の関与が強く示唆された. 5)HAM30症例の電気生理学的検討の結果,下肢SEPが有用であると結論した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Arimura;K.Arimura;M.Osame;A.Igata: Neuro-ophthalmology. 7. 243-248 (1987)
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[Publications] Kimiyoshi Arimura;Raymond Rosales;Mitsuhiro Osame;Akihiro Igata: Archives of Neurology. 44. 609-612 (1987)
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[Publications] K.Usuku;S.Sonoda;M.Osame;S.Yashiki;K.Takahashi;M.Matsumoto;T.Sawada;K.Tsuji;M.Tara;A.Igata: Annals of Neurology. 23. S143-S150 (1988)
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[Publications] 納光弘;井形昭弘;小坂健二;松元寛: 日本医事新報. 3281. 30-34 (1987)
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[Publications] 納光弘;井形昭弘;松元寛;宇宿功市郎;北島勲;高橋兼久: 神経研究の進歩. 31. 727-745 (1987)