1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480221
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
荒川 規矩男 福岡大学, 医学部, 教授 (90078783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 学 福岡大学, 医学部, 助手 (00178675)
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 助手 (20131807)
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Keywords | キニン / アンジオテンシン / カリクレイン / ヒドロキシプロリン |
Research Abstract |
キニン・テンシン系が生体内で作動している事を証明するため, ラット後肢灌流モデルを用いて検討した. 灌流液に添加したアンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへの変換は灌流液のpHに依存し, またアプロチニンにより抑制される傾向がみられた. しかしながら回収されたアンジオテンシンIIの量に関してラットの個体差が大きく, 確証を得るには至っていないので今後さらに実験系やデータの解析方法について検討していく予定である. キニン・テンシン系に関与し得る新しい酵素としてラット顎下腺にトニンと共存しているカリクレインについて検討した. そして本酵素は同一組織に存在するトニンと物理化学的性質を多少異とするが, 共に同様にヒト血漿蛋白からキニンのみならずアンジオテンシンIIをも直接産生することを確認した. (J.Biochem.102:859ー868,1987)さらにこのカリクレインがアンジオテンシンIからIIへの変換を触媒することも見いだした. (第10回日本高血圧学会1987,京都)これらの事実はカリクレインあるいはその類似酵素が循環調節ペプチドの生成に関与しているという我々の仮説を支持するものである. 一方ブタ膵カリクレインによりヒト血漿蛋白から遊離されるキニンの精製を進めた結果, 通常のリジルブラジキニンの他に哺乳類のキニンとしてはいままで報告されていなかった全く新しいキニンとしてヒドロキシプロリン^3ーリジルブラジキニンを発見した. (B.B.R.C.150:511ー516,1988), 現在その生体内での存在の確認, 通常のキニンとの存在比, 通常のキニンとの生理的, 生化学的性質の差などについて検討中である. ラット子宮筋収縮でみた生理活性は両者ほぼ等力価であった.
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[Publications] M.Ideishi: J.Biochem.102. 859-868 (1987)
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[Publications] M.Sasaguri: Biochem.Biophys.Res.Commun.150. 511-516 (1988)
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[Publications] K.Arakawa: Setellite Symposium on International Congress KININ'87 TOKYO Dec.7th-Dec.9th,1987 Sapporo,Japan.
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[Publications] K.Arakawa: 15th International Congress on Kinin Nov.29-Dec.3,1987 Tokyo,Japan. in press.