1988 Fiscal Year Annual Research Report
無ガンマグロブリン血症の病因解析(プレB細胞の増殖障害と免疫グロブリン遺伝子再構成について)
Project/Area Number |
62480224
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土屋 滋 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (30124605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺沢 政彦 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (80192201)
佐藤 徹雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90170761)
今野 多助 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (00004846)
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Keywords | 先天性無ガンマグロブリン血症 / Bリンパ芽球様細胞株 / IgD / 細胞クローニング / K+入鎖産生細胞クローン |
Research Abstract |
先天性無ガンマグロブリン血症(CAG)患児骨髄血にEBウイルスを感染させると、B前駆細胞様細胞株(Pre-LCL)が樹立できる。本年度の研究の目的は、これら細胞株の中からCAGの病因解析を有用と思われるユニークな免疫グロブリンの発現パターンを示すB-LCLを発見し、細胞レベルでのクローニングを行う事である。この過程は免疫グロブリン遺伝子の解析をする上で極めて重要である。 CAG由来Pre-LCLは試験管内での細胞増殖が悪く、なかなか長期培養系に適応しない。この現象は非常に緩除に出現するために、健常人由来LCLとの増殖率の差を増殖曲線を描いて定量的に示すのが困難であった。そのような中でIgD(δ、入)を細胞表層および細胞質内に保有するK5細胞株が試験管内長期継代培養の系に適応した。CAG患児骨髄血由来PreB-LCLにIgDを発現しているものの報告はまだなく、免疫グロブリンμ鎖遺伝子の欠矢の有無、δ重鎖および入軽鎖遺伝子の発現機構などを知る上で貴重な細胞株である。しかしK5細胞株上のIgDの発現は培養経過を共に減弱して行く傾向にあり、現在安定にIgDを発現しているK5細胞株を得る工夫を重ねている所である。我々はK5の他にもう1株、免疫グロブリンのユニークな発現パターンを示す細胞株K4を見出した。この細胞株は当初細胞質内にμ鎖のみを保有するPreB-LCLと考えられていたが、試験管内で長期継代培養可能となった後で検索した所、μ重鎖およびKと入の2つの軽鎖を同時に発現している細胞株である事が明らかとなった。この事は3度続けて行った細胞レベルでのクローニング実験でも確認された。1つの免疫グロブリン重鎖が同時に2つの軽鎖をとる例は現在まで報告がない。今後の問題はK4やK5に認められている免疫グロブリン発現の異常の原因を遺伝子レベルで明らかにし、かつCAGの病因との関連を追求することである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Minegishi,N;et al: Tohoku J.exp.Med.154. 143-148 (1988)
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[Publications] Minegishi,M.;et al: Leukemia Research. 12. 227-232 (1988)
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[Publications] Minegishi,M.;et al: Leukemia Research. 12. (1988)
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[Publications] 土屋滋: 小児医学.
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[Publications] 土屋滋: Medical Immunology.