1989 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内極微量注入法(マイクロインジェクション)を用いた先天性代謝病の研究
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62480229
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 伸太郎 大阪大学, 医学部, 教授 (30028609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緑川 光雄 大阪大学, 医学部, 助手 (00200072)
乾 幸治 大阪大学, 医学部, 助手 (90175208)
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Keywords | マイクロインジェクション / 先天性代謝病 / クラッベ病 / モデル動物 / 髄鞘 / 脱髄 |
Research Abstract |
In vivo study:正常坐骨神経培養では、脂質分画に取りこまれた放射能の60%以上がGalcerに合成された。蛋白あたりのGalcerの合成は日齢と伴に増加し、1週目から3週目では約2倍に増加した。一方罹患マウスでは、Galcerの合成は、日齢による増加が見られず、1週目頃より低下し4週目では正常マウスの15%であった。一方セラマイドヘキソシドの相対的合成量は日齢と伴に増加し、グロボイド細胞の増加を反映していると考えられた。Galsphの合成は〔^3H〕ガラクト-ス1日のパルスでは検出されず、7日間でGalsphに相当するスポットは罹患マウスで正常の2倍の値を示した。Galsphを培地中に添加し、〔^3H〕ガラクト-スよりGalcerの合成を検討したが、Galcerの合成には影響を与えなかった。 In vitro study:正常マウスの脊髄においてはGalcer Tase活性は3週目で最高値を示した。罹患マウスでは正常の約30%であった。Galsph Tase活性は2週以降で正常より低値を示し、3週以降では正常の40%となった。invitroでのGalsph添加はGalcer Tase活性には影響を与えなかった。 以上の結果より正常マウスでは2週以降にGalcer合成の促進が見られるのに対し、罹患マウスではGalcer合成の促進が認められず、1週目より合成能が低下した。このことがGalcerが蓄積しない原因の1つと考えられた。Galcer合成酸素の低下は正常の40%であったが、in vivoでは15%の低下を示し、より病態と反映していると考えられた。Galsph合成酵素は罹患マウスで正常の約30%と低下しておりGalsphの蓄積は合成酵素の増加によると考えられず、ガラクトシルセラミダ-ゼ欠損によりGalsphが分解されず蓄積するためと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Inui,et al.: "Study of Pathogenesis in Twitcher Mouse,an Enzymatically Authentic Model of Human Krabbes Disease" J.Inher.Metab.Dis.12(Suppl.2). 383-385 (1989)
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[Publications] M.Taniike,etal.: "Immunohistochemical Demonstration of GM_2ーgangliosid in the central nervous system of a 19-week-old fetus of Tay-Sachs disease" J.Inher.Metab.Dis.12(Suppl.2). 372-374 (1989)
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[Publications] M.Taniike,et al.: "Cornlation of subcellular localization of olisease-specific inclusions and srhing obipid actioator protein-1(SAP-1)" Acta Histochem.Cytochem.21(6). 565-573 (1989)
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[Publications] K.Inui,et al.: "Impaired chlesterol esterification in cultured skin fibroblasts from patieuts with I-cell disease" Biochem.Int.18(6). 1129-1135 (1989)
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[Publications] 坂田尚己ら: "生化学的診断法により診断し得たNiemann-Pick病C型の1例" 日本小児科学会雑誌. 93. 2117-2122 (1989)
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[Publications] M.Taniike,et al.: "Ultrastructural pathology of rectum and skin biopsy specimens in lysosomal storage disease" Acta Histochem.Cytochem.