1987 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病ウイルス(HTLVーI)の母子感染に関する20年間の縦断的研究
Project/Area Number |
62480230
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 浩司 九州大学, 医学部, 教授 (00038647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳川 健 公立学校共済組合九州中央病院, 小児科医長 (80145200)
楠原 浩一 九州大学, 医学部, 医員
宮崎 千明 九州大学, 医学部, 助手 (30190763)
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Keywords | 成人T細胞白血病ウイルス(HTLVーI) / 母子感染 / 抗体 / 血清疫学 |
Research Abstract |
成人T細胞白血病ウイルス(HTLVーI)の母子感染の頻度と成立時期を検討するために, 1965年〜1983年の15年間にわたって沖縄の母子311組から縦断的に採取・保存された血清2013検体のHTLVーI抗体を測定し, 以下の結果を得た. (1)母親と子どものHTLVーI抗体陽性率はそれぞれ20.9%と3.2%で,その間に大きな差がある. (2)抗体陽性の子どもは,全て抗体陽性の母親から出生していた. 観察期間中(子ども3〜18歳),抗体陽転が確認された子どもはなかった. (3)抗体陽性の母親から生まれた子どもの15.4%が抗体陽性であった. 以上の結果から,HTLVーIの母子感染は,15%の頻度で3歳までに成立し,それ以降は少なくとも18歳までは新たな母子感染はおこらないことが示された(Int.J.Cancer,40;755ー757). 現在,いくつかの施設で,抗体陽性の母親から出生した子どもの追跡調査が行われているが,私たちの研究から,生後3年まで追跡を行うことにより,HTLVーI感染の18歳までの実態が解明されることになる. 一方,母子間の抗体陽性率の大きな差が,どのような機序で生じているかは,今後解決されなければならない問題である. また,この研究におけるHTLVーI抗体陽性者の抗体価を測定し,HTLVーI抗体価が長期間一定レベルで維持されることを示した(第35回日本ウイルス学会総会,1987年11月).
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Research Products
(1 results)