1988 Fiscal Year Annual Research Report
紅斑症の発生機序に関する免疫学的・生化学的並びに電顕的研究
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62480233
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 貞夫 大都大学, 医学部, 教授 (30026869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 隆夫 京都大学, 医学部, 助手 (40179718)
宮地 良樹 京都大学, 医学部, 講師 (30127146)
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Keywords | MRL / lマウス / 紅斑 / ヒスタミン分解酵素 / セロトニン / セロトニン分解酵素 / 活性酸素 |
Research Abstract |
1.背部に紅斑を自然発症するSLEモデルマウスであるMRL/lマウスの皮膚を生検し、ヒスタミン分解酵素であるhistamineーNーmethyltransteruse(HMT)とdiamine oxidase(DAO)活性を測定したところ、本マウスのHMT活性は、1カ月令ではコントロールであるMRL/nマウスや他の自己免疫マウスとほぼ同様の値を示したが、以後次第に低下し、紅斑を発生する5カ月令では、これらコントロールマウスに比して有意に低下してした。また、コルチコステロイドを全身的に投与しておくと、このようなHMTの低下は認められなかったが、紅斑の形成や蛋白尿は軽度改善されるにすぎなかった。なお、DAO活性は、いずれのマウスの皮膚にもほとんど検出されなかった。2.HMT活性に抑制作用のあるセロトニン代謝を、紅斑のモデルであるモルモットのアルサス反応を用いて検討した、セロトニン分解酵素には、monoamine oxidase(MAO)と、serotonin-N-acetultransferase(NAT)があるが、前者の活性は後者の活性に比して約10倍大きく、アルサス反応2時間後まで増加し、以後は漸次低下した。この変化は、セロトニンの経時変化と鏡像をなすものであり、両者の密接な関係がうかがわれた。まおNATの変化は、4時間まで経時的に漸減し、以後、その状態を維持した。3.HMTには上記のようにセロトニンが抑制作用をもつことが分ったが、その他の薬剤についても検討したところ、疎水基近傍にエチルアミンの構造をもつ生理活性アミンは、種類に関係なく、HMT活性を拮抗的に阻害することが分った。4.多形滲出性紅斑の発症に免疫複合体が関与することは、すでに報告したが、本症患者血清は多核白血球を刺激し、各種活性酵素を産生することが分った。また、本症の治療剤であるヨードカリやダプリンはinvitroの実験において活性酸素の産生を抑制したり、産生された活性酵素を除去することが分った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Fukumi Furukawr;Shinkichi Taniguchi;Takao Tachibana;Yuji Horiguchi;Hideo Kanauhi;GAkuji Ohshio;Yoshihiro Hamashima;Sadao Imamura: Microbiology and Immunology. 32. 83-96 (1988)
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[Publications] Takao Tachibana;Shinkichi Taniguchi;Fukumi Furukawa;Sadao Imamura: Proceedings of Japanese Society for Investigative Dermatology. 12. 168-169 (1988)
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[Publications] 立花隆夫,古川福実,谷口信吉,今村貞夫: 皮膚料紀要. 83. 531-536 (1988)
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[Publications] Akira Yoshioka;Yoshiki Miyachi;Sadao Imamura;Yukie Niwa: Acta Dernatologica(Kyoto). 83. 401-412 (1988)
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[Publications] Takao tachibana: Biochemical Pharmacology. 37. 2872-1876 (1988)
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[Publications] 宮地良樹,吉岡晃,今村貞夫,鈴木茂彦,丹羽靱負: フリーラジカルの臨床. 3. 127-134 (1988)
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[Publications] 今村貞夫: "今日の治療指針" 金原出版, 641 (1988)