1988 Fiscal Year Annual Research Report
脳、心疾患及び癌診断のための陽電子放出核種標識生理活性物質の化学合成に関する研究
Project/Area Number |
62480236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
多田 雅夫 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (10006083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 和雄 東北大学, 抗酸菌病研究所, 講師 (40161674)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 助教授 (00125501)
杉山 宏 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (90006304)
松沢 大樹 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (10006108)
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Keywords | 化学合成 / 診断 / 放射性薬剤 / 陽電子CT / 六炭糖 |
Research Abstract |
1.標識体に化学合成研究について (1)2-デオキシ-2-〔^<18>F〕フルオロ--D-ガラクトース(FDGal) 前年度に述べた新規改良化学成法で、その都度、迅速合成し、臨床研究に供しており、そのうちある程度まとまった成果について2.で述べる。 (2)D-〔1-^<11>C〕グルコースとD-〔1-^<11>C〕ガラクトース これらの標識六炭糖のジボランを使用しての新規迅速化学合成法を開発することに成功したので本年一月にその詳細を公表した。 (3)N-〔^<18>F〕フルオロアセチル-D-グルコサミン 本アミノ糖について、当初、N-ブロムアセチル-D-グルコサミンをまず合成し、このブロム原子を弗素原子で交換して目的糖を合成する新規合成法を考案したが、実際のホット実験での塩基度制禦に問題があり、この方法の標識合成への適用については断念した。ブロム酢酸エチルでまず弗素原子の導入を行い、ついで加水分解し、アミノ糖との総合反応を短時間で行い目的標識体を合成することが出来た。改良実験中である。 2.標識体の医学利用について FDGalを用いて陽電子CTを使って、肝細胞癌と転移性肝癌の鑑別診断を行った。対象者は前者は6人、後者は5人である。FDGalを静脈投与して腫瘍のある部位で5分ごとの連続撮影を行った。肝細胞癌への集積度は非常に高いため転移性肝癌への集積度とは重なりがなく明確に区別された。肝硬変の3例では肝細胞癌は陽性像として摘出され、転移性肝癌ではいずれも腫瘍部は陰性像となった。したがってFDGalは両者の鑑別に極めて有用と考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松沢大樹: 図説臨床癌シリーズ. 22. 127-133 (1988)
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[Publications] Tada,Masao: J.Labelled Compds.Radiopharm.27. 1-7 (1989)