1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小塚 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (40028478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有沢 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (40144513)
森本 静夫 大阪大学, 医学部, 講師 (60116118)
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Keywords | DSA / 血流量 / 通過時間計測 / 血管容積計測 / 大動脈冠動脈バイパスグラフト |
Research Abstract |
前年度の基礎実験を拍動流に適応し、その有用性を検討した。電磁定量ポンプを用いた拍動流回路を作成し、pump pulseを60rpmに設定し流量を毎分100mlから290mlまで変化させた。相互相関関数法を用いれば実測値との間に0.95の相関係数が得られ、定常流の場合と同様適用できると考えられた。次に基礎実験にて確立された方法の臨床応用を試みた。対象血管として比較的直線的である大動脈冠動脈(A-C)バイパスグラフトを選んだ。A-Cバイパス術後遠隔期(平均1年2ケ月)の7症例(平均年令62±6才、男女比6:1)の大伏在静脈グラフト7本を対象とした。グラフトやグラフト遠位側冠動脈に有意な器質的狭窄を認めず、いずれの灌流領域も左室造影にて壁運動は保たれていた。安静時ならびに心房ペーシング負荷時におけるグラフト流量を測定した。撮影画像はI.I.6.5インチにて拡大撮影を施行し、また血管径(y:mm)は辺縁設定に1次微分(x)を用い基礎実験で得られた回帰式(y=x+0.31、α=0.999、p<0.01)より求めた。また心拍動の影響をなるべく除去するために得られたDSA画像にphase match subtractionという操作を加えた。すなわち造影剤注入前の一心拍の画像をphase matchさせた造影剤注入後の画像から差分した像を作成した。2点のPOI間距離は1.7±0.3cmに設定し、グラフト血管径は3.0±0.5mmであった。安静時のグラフト流量は40.7±11.5ml/minである。7症例の心拍出量は6.1±0.9l/minであり、心拍出量に対するグラフト流量は0.67±0.22%であった。次に心房ペーシングによりdouble productは10213±2386beat.mmHg/minから16982±2869beat.mmHg/minへと有意に増加した。その際のグラフト流量は64.9±14.7ml/minで、安静時に比して有意に増加したくp<0.01)。基礎実験で確認された様に比較的簡便に流量測定の臨床応用が可能であることが確認できた。
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