Research Abstract |
1.肝癌集検問診票を作成した. 問診項目は, 既往, 輸血, 肝疾患家族歴, 自覚症状, 飲酒, 肥満などである. 2.血液検査項目は, GOT, GPT, γGTP, A/G比, ALP, ZTT, HB_δーAg, γーFPとした. 3.肝癌集検の一次スクリーニングに, 超音波診断法を用いることにした. 超音波診断装置は, EVBー310A(日立メディコ(株))を購入し, 走査プローブの改良を行った. 即ち走査プローブを小さくすること(35×29mm)により助間からの肝スキャンが容易となり良好な画像が得られた. 本装置を用いて, 被検者1名につき4〜5名で肝を検査しうる方法について検討し, 走査の手順を定めた. また, 記録系にビデオを用い, 複数の医師による読影を可能とした. 4.二次検診法としては, X線CTを用いることとした. 集団検診用として操作性を改良するため, TCTー900Sスキャナーを用いて, (1)撮影条件のプリセットを容易にすること, (2)ボイス, ラピッドスキャン, 呼吸同期スキャンなどの集検スキャンモードを設けること, (3)撮影スライスの位置決めがスキャノ撮影を行わずにできること, (4)光ディスクへの転送をバックグラウンドで自動的に行うことなどを検討中である. しかし, X線管球の冷却のために時間を要するために, 意外にスループットが悪いことが分かった. そこで, 傾斜スキャンを施行して撮影スライス数を減少させることにした. 現在迄の検討では, 2〜3スライス程度撮影枚数を少なくすることが可能であった. 5兵庫県総合保健協会と協力して, 肝癌超音波集検を開始する予定である. 対象は, 40歳以上69歳以下の男女とし, 問診票により拾い上げた危険因子保有者を中心とした地域集検群と協会の成人病検診等で超音波検診を希望した施設並びに集検車検診群とした. 1日検診数は72人/6時間/日として500人/年を計画している.
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