1989 Fiscal Year Annual Research Report
双極感情病と妄想型分裂病における生化学的マ-カ-の異同について
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62480242
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 明子 東京医科歯科大学, 医学部・文部技官(総務職員) (40210992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南海 昌博 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20218069)
金野 滋 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90126219)
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Keywords | 双極感情病 / 妄想型分裂病 / イミプラミン結合 / パロキセチン結合 / ヒト血小板 / ストレス / 血中MHPG / 尿中フェニルエチルアミン |
Research Abstract |
本年度は、動物実験としてラットを#1コントロ-ル(C)群、#2デシプラミン慢性投与(D)群、#3慢性ストレス(S)群、#4デシプラミン慢性投与-慢性ストレス(DS)群の4群に分け、抗うつ剤あるいはストレスを10日間行い、大脳皮質、視床下部、海馬でのセロトニン取り込み部位を標識するイミプラミン(IMP)結合、パロキセチン(PARO)結合、更に海馬におけるNa^+、K^+-ATPase活性の測定を行った。その結果からは、各部位でのIMP結合とPARO結合の分布は必ずしも一致していなかった。またIMP結合は海馬と視床下部でC群に比べDS群で有意に低下していた。PARO結合は、視床下部でC群に比べDS群で有意に低下していた。一方、Na^+、K^+-ATPase活性は、C群に比べD群とDS群で有意に低下していた。以上の結果から、ある負荷をかけたときの抗うつ作用に視床下部でのセロトニン取り込み部位の低下が関与している可能性が示唆された。また、抗うつ剤は慢性投与により、海馬でのNa^+、K^+-ATPase活性を低下させることが明らかになった。臨床的研究として健常者14名、双極感情病者6名において血小板PARO結合を行ったが、そのBmaxには変化がなく、Kdは双極性感情病者で高い傾向にあったが、有意差は認められなかった。双極感情病者と妄想型分裂病者の血中HVA、MHPGには、サンプリングを終了し、現在解析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 南海昌博他: "ラット脳^3H-imipramine,^3-paroxetine結合に対するうつ病と健常者血清による阻害効果の比較" 薬物・精神・行動. 9. 128 (1989)
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[Publications] 南海昌博他: "うつ病仮説と抗うつ剤の作用機序" Mebio. 6. 67-75 (1989)
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[Publications] 金野滋: "精神分裂病と中枢dopamine神経系-前頭葉皮質dopamine神経機能低下・皮質下dopamine神経機能亢進説を中心に-" 神経精神薬理. 11. 321-330 (1989)
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[Publications] 南海昌博他: "蛍光偏光イムノアッセイ法による三環系抗うつ剤血中濃度測定の臨床的有用性と限界" 精神科治療学. 4. 1147-1154 (1989)
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[Publications] 南海昌博他: "リチウム中毒とその対策" 医薬ジャ-ナル. 25. 35-40 (1989)
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[Publications] 南海昌博,山田佐登留,高橋良: "躁うつ病の薬理生化学〔1〕" 高橋清久他編, 166 (1989)
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[Publications] 仙波純一,本橋伸高: "躁うつ病のGABA仮説" 高橋清久他編, 166 (1989)