1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480248
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
三好 功峰 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10068447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 博臣 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90206699)
植木 昭紀 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (30203425)
佐藤 正保 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50115854)
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Keywords | 痴呆モデル動物 / 回避学習能力 / フィゾスチグミン / THA |
Research Abstract |
1.ラットの腹側淡蒼球をカイニン酸によって破壊し1年以上生存せしめ、その間経時的にアセチルコリン、コリンアセチルトランスフェラーゼの測定をおこない、また、受動回避学習による学習能力の検討をおこない、これらの動物において、前年度に検討し明らかになった短期間の変化に留まらず、実験期間中の長期にわたりアルツハイマー病で知られているようなコリン系マーカーの変化、学習能力の低下を引き起こすことを認めた。2.アメチルコリンエステラーゼ阻害剤であり、また近年、米国でアルツハイマー型痴呆の治療に用いられたことで注目されているテトラハイドロアミノアクリジン(THA)、および、それに近似の構造式をもつNIK-247の両薬剤を、ラットの腹側淡蒼球をカイニン酸にて破壊した直後より1日一回経口投与し、これら薬剤の学習能力に対する影響を8か月目に検討した。その結果、この、動物モデルにおける学習能力に対し改善作用のあることを認めた。3.腹側淡蒼球をカイニン酸にて破壊したラットを長期間生存せしめて、2.4.6.8.10か月目に、その大脳皮質を光学顕微鏡・電子顕微鏡を用いて神経病理学的な変化を、また免疫組織化学的にアセチルコリンエステラーゼの変化を検討した。その結果、2.4.6か月目においては、腹側淡蒼球破壊側にのみ免疫組織化学的に認めることのできるアセチルコリンエステラーゼの著名な減少のみであり、Arendashほか(1987)が1年4か月目に出現すると報告しているようなBodian染色、HE染色などによる老人斑様の変化は認めされなかった。8か月目の動物の大脳皮質には電子顕微鏡で観察すると、軸索の膨化した像が一部散在性に認められ、その変化は10か月目の動物の大脳には光学顕微鏡にて観察された。現段階では老人斑といえるものではないが、さらに1年、1年4か月目の動物について検討すべく研究を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 三好功峰: 治療. 70. 75-80 (1988)
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[Publications] 佐藤正保、三好功峰: Dementia. 2. 117-129 (1988)
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[Publications] 三好功峰: 精神医学. 30. 490-491 (1988)
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[Publications] 三好功峰: medicina. 25. 1340-1341 (1988)
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[Publications] 三好功峰: 治療学. 21. 421-421 (1988)
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[Publications] Akinori Ueki;Koho Miyoshi.: Journal of the Neurological Science. (1989)
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[Publications] 三好功峰: "老年期の痴呆;患者さんの心を理解しよう" 有斐閣, 1-209 (1988)