1989 Fiscal Year Annual Research Report
バセドウ病に於ける抗DNA抗体の上昇及びその治療による改善及び再発との関連
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62480249
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
山田 隆司 信州大学, 医学部, 教授 (60008282)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 陽一 信州大学, 医学部, 講師 (10109176)
相沢 徹 信州大学, 医学部, 講師 (90150896)
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| Keywords | バセドウ病 / 抗DNA抗体 / 免疫異常 / DNA結合蛋白 |
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| Research Abstract |
1.アマシャム社のRIAキット(抗DNAキット)で測定される抗DNA抗体価はバセドウ病の病態とよく相関する。すなわち、未治療患者での陽性率は88%と高く、治療により甲状腺ホルモン値が低下すると抗DNA抗体価も減少する。2.他の免疫学的指標との関連:(1)TSHレセプタ-抗体と抗DNA抗体価とは有意に正の相関を示した。(2)抗サイログロブリン抗体、抗マイクロゾ-ム抗体、血清補体価には相関がなかった。(3)抗DNA抗体陽性の未治療患者の約半数で抗核抗体は弱陽性であった。3.バセドウ病患者血中にみられる抗DNA抗体の性質:(1)抗DNAキットで測定される抗体は不安定で、低温あるいは冷凍下においても速やかに失活する。(2)プロティンA吸着実験からはバセドウ病患者血中にdsDNAのみならずssDNAやRNAとも交叉するIgG抗体の存在が示されたが、この実験系で測定できる抗体価と上記1、2の抗体価とは全く相関がなく、他にも^<125>I-DNAと結合する物質の存在が示唆された。(3)^<125>I合成dsDNAを用いたアマシャム社の新キット(抗DNA-II)では未治療バセドウ病患者血中の抗DNA抗体価は陰性であった。4.IgG以外の^<125>I-DNA結合物質:(1)甲状腺あるいは肝臓のホモジェネイトを用いて^<125>I-DNAの結合実験を行うと容量反応的に^<125>I-DNAと結合する物質が広く生体に存在することが示され、甲状腺機能亢進状態では血中にも現れることが推測される。(2)ホモジェネイトのマイクロゾ-ム分画に^<125>I-DNA結合量が最も多く、10〜20μg蛋白/tubeでプラト-(全放射能活性の60〜80%)に達した。(3)ホモジェネイトを熱処理あるいはトリプシン処理すると結合活性は失われた。(4)hypo-,eu-,hyperthyroidラットの血漿を用いて^<125>I-DNA結合活性を測るとhypothyroidラットの結合活性は有意に低下し、hyperthyroidラットでは高くなる傾向があったがeuthyroidのものと比べ有意差はなかった。(5)^<125>I-合成dsDNAは上記ホモジェネイトと結合しなかった。未治療バセドウ病患者血中に抗DNA-IgG抗体の存在すること、および^<125>I-DNA関連物質と結合する未知の蛋白の存在することを示したが、前者とバセドウ病の病因との関連、後者の本体については不明の点が多く今後の研究課題である。
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[Publications] Katakura,M.,Yamada,T.,Aizawa,T.,et al.: "Presence of Antideoxyribonucleic Acid Antibody in Patients with Hyperthyroidism of Graves'Disease" J Clin Endocrinol Metab. 64. 405-408 (1987)
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[Publications] Murakami,M.,Koizumi,Y.,Aizawa,T.,Yamada,T.,et al: "Improvement of Immunologic Abnormalities Associated with Hyperthroidism of Graves'Disease during Methimazole Treatment" Horm metabol Res. 20. 235-238 (1988)
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[Publications] Murakami,M.,Koizumi,Y.,Aizawa,T.,Yamada,T.,et al.: "Studies of Thyroid Function and Immune Parameters in Pantients with Hyperthyroid Greves'Disease in Remission" J Clin Endocrinol Metab. 66. 103-108 (1988)
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[Publications] Aizawa,T.,Ishihara,M.,Hashizume,K.,Takasu,N.,and Yamada,T.: "Age-Related Changes of Thyroid Function and Immunologic Abnormalities in Patients with Hyperthyroidism Due to Graves' Disease" J Am Geriatr Soc. 37. 944-948 (1989)
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[Publications] Aizawa,T.,Yamada,T.,Yokokawa,N.,and Sakai,R.: "Characterization of Antinuclear Antibodies in Patients with Graves'Disease" Progress in Thyroidology Korea Medical Publishing. 171-174 (1989)
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[Publications] 相沢徹,横川中子,酒井倫子,山田隆司: "バセドウ病と抗DNA抗体" ホルモンと臨床 増刊号 甲状腺学の進歩'88. 37. 207-215 (1988)
