1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480260
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 修 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10209710)
加藤 淳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50183265)
広沢 信作 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50143574)
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Keywords | アルファ2プラスミンインヒビター / セリンプロテアーゼインヒビター / 線維素溶解 / 遺伝子 / 染色体 / プロテインC / 遺伝子発現 / 転写調節 |
Research Abstract |
血管内血液凝固線溶系の主要な制御調節因子としては、アンチトロンビンIII、プロテインC(PC)、プロテインS、アルファ2プラスミンインヒビター(PI)などがあるが、それら因子のうちPCとPIをとりあげて分子生物学的研究を行った。PIに関しては、本研究の発足前にそのC末端部に対応するcDNAのクローニングが完成したいたので、それを基礎として発展させた。すなわち、PIの遺伝子構造の解明と、先天性PI欠損症の遺伝子の変異をしらべた。ヒト胎盤より作成されたゲノムDNAライブラリーをcDNAおよび合成ヌクレオチドを用いてスクリーニングを行った結果、PIのコード領域全域にわたるゲノムDNAの3クローンを得た。それらの制限酵素地図と塩基配列を決定してPI遺伝子構造の解析を行った。その結果、PI遺伝子は16Kbにわたり、10のエキソンと9のイントロンによって構成されていることが判明した。イントロンの数は、従来報告されているセリンプロテアーゼインヒビターの中で最も多い。5'側の転写調節領域中には、TATA、CAT、GCボックスなどが認められ、特に興味深いのは、肝組織特異の転写エンハンサー配列が見出された。ゲノムDNA断片を用いたハイブリダイゼーションにより、PI遺伝子は染色体上18p11.2→q11・2に局在することが判明した。先天性PI欠損症の一家系についてPI遺伝子の構成をしらべた結果、DNAの大きな再構成や欠損は認められず、唯一の変化は、コード領域の3'末端附近にCが1個挿入されていることであり、その結果、フレームシフトが起りC末端の12のアミノ酸の置換と新しく166アミノ酸がC末端に附加された蛋白がほん訳されていることか判明した。トランスフエクションによる発現実験では、産生蛋白が分泌されないことも判明した。PCのゲノムDNA断片を用いたハイブリダイゼーションでPC遺伝子が染色体2q14→q21に局在することが判明した。
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[Publications] Atsushi,Kato: Gytogenetics and Cell Genetics. 47. 46-47 (1988)
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[Publications] Atsushi,Kato: Cytogenetics and Cell Genetics. 47. 209-211 (1988)
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[Publications] Shinsaku,Hirosawa: Proceedings of National Academy of Sciences,USA. 85. 6836-6840 (1988)
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[Publications] Osamu,Miura: Journal of Clinical Investigation. 83. (1989)
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[Publications] Nobuo,Aoki: "Fundamental and Clinical Fibrinolysis" Elsevier Science Publishers, 99-109 (1987)
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[Publications] Nobuo,Aoki: "Fibrinogen,Fibrin Stabilization,and Fibrinolysis" Ellis Horwood Ltd, 264-276 (1988)