1988 Fiscal Year Annual Research Report
磁性超微粒子を用いるIntracellular Hyperthermia
Project/Area Number |
62480269
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Research Institution | Toyama Medical & Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田沢 賢次 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (80018887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正敏 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (30143861)
本田 昂 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40019914)
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Keywords | デキストラン・マグネタイト / 強磁性体誘導加温法 / 四三酸化鉄誘導加法 / Intracellular Hyperthermia / 誘導加温療法 |
Research Abstract |
昭和62年度の計画において、Fe Iron Metal、SUS430LAN、MnZnフェライト、3C、Fe_3O_4などの励起状態を報告した。この内で、3C、Fe_3O_4のInvivoのラット腹水腫瘍AH60Cにたいする誘導加温後の40日後の生存率では、コントロール群がすべて40日以内に死亡したのに比較して、Fe_3O_4で66%、3Cでは40%が生存していた。しかし、これらのSubmicron particleは腹腔内投与時、凝集し分布が不均一になることが明らかになり、その結果、効果が不確実となることが判明した。この不均一を解決するため新たな強磁性体として、我々はFe_3O_4の高い励起性を生かし、凝集性のない、均一分散性を有するsubmicron particleの研究に取り組み、デキストランとFe_3O_4との複合体デキストランマグネタイトを作成し、初期の目的を達成することができた。 新しく開発された複合体デキストランマグネタイトは、分散性がよく、血清中でも24時間以上凝集することがないことを認めた。1mgあたり、Feを207mgを含み、デキストランを84mg、その大きさは80〜100mg程度であった。 生理食塩水中での1.25%と2.5%の励起率をFe Iron Metalと3Cと比較したところ、更に良好な励起率を認めることができた。 AH60Cを用いたIn vivoの腹水腫瘍にたいする誘導加温後の延命率を検討したところ、コントロール群の生存日数が平均13.6±2.6日であったのに比較して、1回加温群では18.2±5.8日、2回加温群では20.7±4.2日と更に延命し得た。腹腔内の分散性においても均一に、凝集することがなくコロイド安定性にすこぶる優れていることがIn vivoにおいても証明できた。 今後の誘導加温による温熱療法にとって、より優れた、温熱効率のよい、臨床に応用できるSubmicron particleとして期待できることがはっきりした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田沢賢次、竹森繁 他: Hyperthermic Oncology in Japan. 1. 291-292 (1988)
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[Publications] 田沢賢次、竹森繁 他: Japanese Journal of Cancer Research:proceeding of the Japanese Cancer Association. 47. 623 (1988)
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[Publications] 田沢賢次、竹森繁 他: International Hyperthermic Oncology. 1. (1989)