1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 満 名古屋大学, 医学部, 助手
中尾 昭公 名古屋大学, 医学部, 講師 (70167542)
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Keywords | 肝移植 / 無肝期血行動態 / ドブタミン / ヘパリン化チューブ(アンスロン^<【O!R】>) / 肝保存 / 低酸素血症 / 部分肝虚血 / 肝エネルギー代謝 |
Research Abstract |
1.肝移植における無肝期全身血行動態:雑種成犬を用い無肝期全身血行動態を研究した. VーVバイパスとしてヘパリンコーティングを施したアンスロン68D1【O!R】.ニD1チューブによる非強制灌流法を用いた. 〈結果〉本法による全身血行動態はハイポボレミアに伴うハイポダイナミックな状態であることが示された. 即ち肝摘除による心機能の低下と,門脈及び下大静脈の遮断による静脈還流の減少そして腸管及び下半手のうっ血によるハイポボレミアが本態であると考えられた. そこで肝摘除前より充分な補液を行い,Dobutamineの如き循環補助剤を用いることが無肝期血行動態を安定化する為に必要であると考えられた. 本法の臨床応用は充分可能なことと考えられた. 今後Biopump^<【O!R】>を用いた強制灌流群との比較検討を行う予定である. 2.臓器保存の研究:ウィスター系雄性ラットを用いて低酸素血症及び肝虚血が肝及び腎組織に及ぼす影響についてエネルギー代謝の面より検討した. 〈結果〉(1)低酸素血症時にエネルギー伝達物質の動的平衡はATPからAMP,キサンチン,ハイポキサンチンへと移動してゆくことが示された. ATPの合成系は,ハイポキサンチンの変動がスクレオチドより遅れることからRー5ーPより合成されるdenovo合成系の関与が考えられた. 又,肝におけるATP代謝は腎より大きな変動を示し,肝移植においては一層良好な状態での摘出,保存が必要であると考えられた. (2)部分肝虚血実験を行いATP代謝を測定した. 組織エネルギーチャージは組織のエネルギー状態を示す良好な指標とは言えないと考えられた. 現在低酸素状態,虚血状態時に保護作用を示す抗凝固剤,抗酸化剤,プロテアーゼ阻害剤等につき検討を加えているところである.
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