1988 Fiscal Year Annual Research Report
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62480270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 昭公 名古屋大学, 医学部, 講師 (70167542)
平 昇 名古屋大学, 医学部, 助手 (80206698)
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Keywords | 肝移植 / 無肝期血行動態 / VーVバイパス法 / 1-doner 2recipients / 部分肝移植 / 70%部分肝虚血 / トロンボキサンA_2合成酵素阻害剤 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
1.部分肝移植法;小児肝移植における肝サイズの問題を解消するのみならず、ドナー肝の有効利用のため肝分割使用(1ドナー2レシピエント)を目的とした部分肝移植法を検討した。ベンチサージェリーにてドナー肝を左側の70%と右側の30%に分割し以下の実験を行なった。(1)左側70%部分肝移植法;レシピエントのIVCを温存しドナーの左肝静脈をドレナージベインとした左側70%部分肝移植を行ない長期生存犬を得た。(2)右側30%部分肝移植法;まず肝門部にて門脈左枝をクランプすることにより30%肝状態を作成し門脈圧の変化を観察したところ、前値7mmHgであった門脈圧が11mmHgまで上昇し肝床の減少による門脈圧上昇を確認した。ここで右側部分肝移植(30%)を行ない門脈圧の変化をみるに、移植後には15mmHgと上昇し24時間以内に死亡した。そこで移植肝重量比を増して70%とした時、移植後門脈圧は減少し術後歩行するにいたった。現在のところ右側部分肝移植(30%)における生存可能限界は移植肝重量比で70%(体重比で2.0:1)と考えられた。 2.肝摘出・保存の研究;(1)ラットを用いて70%部分肝阻血を行ない、温阻血時のエネルギー代謝および温阻血障害に対する薬剤の効果を検討した。薬剤はトロンボキサンA_2合成酵素阻害剤(CV-4151、武田薬品)、蛋白分解酵素阻害剤(ウリナスタチン;持田製薬)およびインドメサシンを用い、肝組織中エネルギー代謝に対する影響につき検討した。これらの薬剤は肝内ATPおよびエネルギーチャージを改善し、生存率の上昇をみた。温阻血に対するこれら薬剤のメカニズムをさらに検討する予定である。
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Research Products
(2 results)