Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 富 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (40125638)
志賀 清人 東北大学, 医学部, 助手 (10187338)
北村 道彦 東北大学, 医学部, 助手 (10153131)
秋元 実 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50167847)
田口 喜雄 東北大学, 医学部, 助教授 (70004885)
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Research Abstract |
1.GluthationーSーtransferaseーπ.type(GSTーπ)の含量は,正常上皮,異型上皮,癌の順に高く,癌では正常の40〜50倍の高い位を示す. ABC法による組織染色では,食道癌組織は全例,抗GSTーπ抗体に反応し,その染色様式は,核濃染型,細胞質濃染型,混合型の3型に分類され,正常上皮において基底層が淡く染色されているのに対し,はるかに強く染色された. 2.GSTーπ抗体に対するヒト食道癌細胞株(TE1〜TE12)の反応をみると,反応性に大きな差がみられ,この差は,他のGSTの抗体,αやμとも異なっていた. 3.GSTーπの含量は低分化癌で低い傾向を示し,また,CDDPに耐性のつよいcell lineで含量が高い傾向を示し,今後の検討が必要である. 4.erbーII遺伝子の産物であるEGFーreceptorは,正常上皮と食道癌では大きな差がみられるが,EGF含量には差が認められなかった. 5.Rig遺伝子は,食道癌組織で高率に発現しており,今後,正常上皮と癌の間の発現の相違について研究する必要がある. 6.DNAヒストグラム上,aneuploidyを示す患者は,臨床統計上,非常に予後がわるいことが判明した. 以上の研究成果をもとに,今後も癌の悪性度の評価をすべく,遺伝子レベル,酵素レベルにおいて,実験的・臨床的に研究をすすめていくつもりである.
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