1989 Fiscal Year Annual Research Report
OK432により誘導される活性化NK細胞の養子免疫療法の確立
Project/Area Number |
62480286
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20191190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田伏 克惇 国立大阪南病院, 外科医長 (70073757)
森 一成 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30190987)
永井 祐吾 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00172495)
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Keywords | OK432 / ナチュラルキラ-細胞 / インタ-ロイキン2 / インタ-フェロンγ / 養子免疫療法 / LAK細胞 |
Research Abstract |
(1)OK432で誘導される活性化NK細胞(OKーNK細胞)の誘導機序 OK432による培養上清中にはインタ-フェロンγ(IFNーγ)活性を認めるので、OKーNK細胞の活性化に及ぼすIFNーγの関与を明らかにするため抗IFNーα抗体を添加したところキラ-活性は全く変動しなかったが、抗IFNーγ単クロ-ン抗体を添加した際にはキラ-活性が部分的に抑制されたが上清中のインタ-ロイキン2(ILー2)活性は変化しなかった。抗ILー2レセプタ-単クロ-ン抗体により、キラ-活性および上清中のIFNーγ活性が完全に抑制された。 また、ILー2レセプタ-陽性細胞の発現率をflow cytometryで解析したところ、OK432のin vitro感作により著明に増加した。さらに、IFNーγの産生細胞を明らかにするためにILー2陽性細胞をpanning法により単離しOK432で再刺激すると、その上清中には強いIFNーγ活性を認めた。以上より、OKーNK細胞の誘導機序は、OK432により誘導されたILー2を介して内因性のIFNーγが産生されることによりOKーNK細胞が活性化されると結論した。 (2)OKーNK細胞により癌の養子免疫療法 癌患者においてもOK432で前感作した後、その末梢血をOK432により再感作することで活性化NK細胞(OKーNK細胞)を誘導することができたので養子免疫療法に応用した。OK432を皮下注射にて前感作した再発甲状腺癌患者の末梢血リンパ球をleukapheresisで採取し、OK432でin vitro刺激した後効果細胞とし腫瘍内局注した。悪寒・発熱以外には重篤な副作用もなく安全に施行し得ることが判明した。
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Research Products
(24 results)
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[Publications] Yamaue H.et al.: "Role of interleukin-2 and interferon-γ in induction of activated natural killer cells from mice primed in vivo and subsequently challenged in vitro with the streptococcal preparation OK432." Cancer Immunology Immunotherapy. 29. 79-86 (1989)
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[Publications] Yamaue H.et al.: "Successful adoptive immunotherapy with OK432-inducible activated natural killer cells in tumor-bearing mice." Biotherapy(Netherlands). 2. (1990)
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[Publications] Yamaue H.et al.: "Functional and phenotypic analyses of interleukin2-activated tumor-infiltrating lymphocytes against autologeus tumor cells." Biotherapy(Netherlands). 2. (1990)
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[Publications] Yamaue H.et al.: "Impairment of autologeus mixed lymphocyte yeaction in the spleen and peripheral blood lymphocytes of patients with idiopathic portal hypertension" Gastroenterologia Japonica. 25. 1070-1075 (1990)
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[Publications] Iwahashi M.et al.: "Impairment of autologeus mixed lymphocyte reaction in patients with gastric cancer." Cellular Immunology.
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[Publications] Tsunoda T.et al.: "Promotive effect of interleukin 4 in tumer-infiltrating lymphocytes." Immunology Letters.
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[Publications] 谷村弘ほか: "活性化NK細胞による癌の養子免疫療法" 腫瘍と感染. 2. 619-623 (1989)
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[Publications] 山上裕機ほか: "OK432による活性化NK細胞の誘導について第2報:インタ-ロイキン2およびインタ-フェロンγの関与について" 日本癌治療学会誌. 24. 2504-2512 (1989)
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[Publications] 山下裕機ほか: "OK432による活性化NK細胞の誘導について第3報:活性化NK細胞を用いた養子免疫療法" 日本癌治療学会誌. 24. 2546-2555 (1989)
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[Publications] 山上裕機ほか: "腫瘍侵潤リンパ球から誘導した細胞障害性T細胞による養子免疫療法の臨床応用" 日本癌治療学会誌. 25. (1990)
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[Publications] 山上裕機ほか: "OK432刺激時に誘導されるLAK細胞に対するサプレッサ-マクロファ-ジの解析" 日本癌治療学会誌. 25. (1990)
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[Publications] 山上裕機ほか: "活性化腫瘍侵潤リンパ球の基礎的解析とその養子免疫療法の臨床応用" Biotherapy. 4. (1990)
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[Publications] 山上裕機ほか: "免疫能からみた膵癌に対する術中照射療法の意義" 日本消化器外科学会雑誌. 23. 52-57 (1990)
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[Publications] 岩橋誠ほか: "BestatinのIn vitro感作による末梢血単核球の抗腫瘍活性の増強効果" Biotherapy. 3. 442-445 (1989)
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[Publications] 岩橋誠ほか: "胃癌患者における自己リンパ球混合培養反応(AMLR)ーー末梢血および脾臓における解析" 日本癌治療学会誌. 25. 63-69 (1990)
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[Publications] 岩橋誠ほか: "癌性腹膜炎を伴う進行胃癌に対する養子免疫療法と抗癌化学療法を併用した集学的治療" 日本癌治療学会誌. 25. (1990)
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[Publications] 岩橋誠ほか: "Bestatinのin vitro処理による癌患者末梢血単核球および脾細胞の抗腫瘍活性" Biotherapy. 4. (1990)
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[Publications] 角田卓也ほか: "癌性胸膜炎に対する活性化腫瘍侵潤リンパ球の胸腔内移入の臨床効果" Biotherapy. 4. 134-137 (1990)
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[Publications] 角田卓也ほか: "Interleukin2とInterferonγ併用によるキラ-活性の増強効果" 日本癌治療学会誌. 25. (1990)
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[Publications] 角田卓也ほか: "H_2レセプタ-拮抗剤によるLAK活性増強効果の基礎的検討" Biogherapy. 4. (1990)
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[Publications] 角田卓也ほか: "H_2レセプタ-拮抗剤によるLAK活性および腫瘍侵潤リンパ球に対する増強効果の基礎的検討" 日本癌治療学会誌.
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[Publications] 谷眞至ほか: "LentinanのInvitro感作による胃癌患者脾細胞からの細胞障害性マクロファ-ジの誘導について" Biotherapy. 3. 430-433 (1989)
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[Publications] 谷眞至ほか: "LentinanのIn vitro感作によるキラ-細胞活性の増強効果" Biotherapy. 3. 1542-1546 (1989)
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[Publications] 谷真至ほか: "LentinanのIL-2併用によるLAK活性増強効果について" Biotherapy. 4. (1990)