1989 Fiscal Year Annual Research Report
極小未熟児を対象としたECMO(体外循環による呼吸補助)の研究
Project/Area Number |
62480297
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
木村 壮介 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (30118450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 秀雄 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80175174)
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Keywords | ECMO / 極小未熟児 / IRDS |
Research Abstract |
前年度までに、想定した基本システムである、2段階潅流方式にのっとり、これに見合う体外循環装置の作製を一応完成させることが出来た。対象としている極小未熟児は、体重が1000g以下で、循環血液量は80〜100mlであるため、体外循環の条件として、(1)充填量を成人に当てはめて算出した値である約40ml以下を設定した。このため、1ー1回路を短くするために、Roller Head部を保育器内部に設置出来る様分離型とし、操作は外部で行える様にした。1ー2ガス交換のための人工肺は、入手可能なもので、人工血液にてFluid-Fluid型として使える微小孔の無いシリコンファイバ-製0.3m^2人工肺、充填量20ml(泉工医科工業社製)とし、全体で約30mlの充填量で流量30〜100ml/分の体外循環を可能とした。次に(2)熱交換であるが、経験的に未熟児の体外循環は、放置すればすぐに体温が低下し、全身状態へ重篤な影響を与える。このため2ー1人工肺をFluid-Fluid型とし、外部に人工血液を使用、酸素化と同時に熱交換器としての機能を持たせた。これにより、2ー2熱交換器は不要となり、充填量は上記の通り少量で可能となり、回路は単純なものになった。 以上、基本的なシステムはほぼ想定通りとなった。次に、脱血量の瞬間的な変動による血液量の体内外へのfluctuatzon(変動)は、たとえ1mlであっても成人では80〜100mlの瞬間的脱血又輪血に等しくなり、今回の装置の自動制御部もこの点を厳密に設計し、ほぼ1ml以下の安定駆動とした。 装置、システムは以上ほぼ完成し、現在動物実験にて、血液流量に対する人工血液による外部潅流量の流量比率がガス交換へ与える効果、影響を検討中である。又、現実の30〜50ml/分に対する至適な外部潅流液の組成(人工血液の濃度等)も検討している。 代表研究者の木村が、自治医大より埼玉医大へ移ったため、実験等が遅れている。平成2年秋頃にすべての結論を出す予定である。
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