1987 Fiscal Year Annual Research Report
神経グリア及びグリオーマ細胞の膜受容体機構に基く機能分化・増殖に関する研究
Project/Area Number |
62480305
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
設楽 信行 東京大学, 医学部(病), 講師 (90111517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 一幸 東京大学, 医学部(病), 助手 (20195283)
久保 俊朗 東京大学, 医学部(病), 助手 (30195490)
源河 茂 東京大学, 医学部(病), 助手 (30186580)
中村 博彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (30189055)
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Keywords | グリア / グリオーマ / 膜受容体 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
3年間での研究目標はグリア及びグリオーマ細胞に於ける膜受容体(Bーアドレナリン受容体, トランスフェリン受容体,癌遺伝子関連受容体)の機能的役割と細胞分化との関連を明確にする事であるが, 初年度(62年度)では以下の研究結果が得られた. 1.ヒトグリオーマ株の樹立とトランスフェリン受容体. ヒトグリオーマ患者より手術時に得られたグリオーマ標本より継代可能な10種類のヒトグリオーマ株も樹立した. グリーマのマーカーとしてGFAP,Sー100蛋白,形態的特徴,増殖速度を測定し, 正常グリア細胞に存在する. マーカーを保育した分化グリオーマ株から未分化型型グリオーマ株を得る事が出来た. 上記ヒトグリオーマ株のトランスフェリン受容体を免疫組織化学(PAP),及び螢光物質標識抗体を使用したFlow Cytometryを使用して測定した. グリオーマ株にはトランスフェリン受容体が存在する事が明確になり, 生体に於けるグリア細胞〓代謝や増殖の〓で血中トランスフェリンの影響をうけている事が示唆される. 無血清培養下でトランスフリンを投与するとDNA合成, 白合成は処置群で増加し, 対照群が1週前後で細胞減少を示めすが, トランスフェリン投与群では増養維持が可能であった. 2.癌遺伝子増幅と癌遺伝子関連蛋白 現在ヒトグリオーマ標本でのSrc遺伝子群の発現を検討しているが, グリオーマ細胞では, Erb遺伝子群の発現は30〜40%で認められるが, Src群では発現の頻度は30例中1例と低率である. 3.グリオーマ株よりのカテコラミン放出とβーアドレナリン受容体刺激: C_6株,U_<251>株はノルエピネフリン,ドパミンの微量な放出が認められるが, これらのreleaseは,Lーisoproterinolで選択的に放出刺激が行なわれる事が判明した.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 設楽信行: 神経研究の進歩. 31. 117-126 (1987)
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[Publications] 設楽信行: 癌と化学療法. 14. 3235-3244 (1987)
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[Publications] S.Genka: Cytometry. 8. 386-391 (1987)
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[Publications] H.Inoya: Progress in Experimental Tumor Research. 30. 91-99 (1987)
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[Publications] Y.Kosugi: Cytometry. (1988)
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[Publications] H.Nakamura: Acta Neurochir. (1988)
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[Publications] 設楽信行: 図説臨床[癌]シリーズ;脳腫瘍;化学;放射線治療. 10 (1987)
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[Publications] 設楽信行: "Annual Review 神経,1988:脳腫瘍;4.悪性リンパ腫" 中外医学, 9 (1988)