1987 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍細胞膜のTNFおよびLDLーreceptorと治療効果に関する研究
Project/Area Number |
62480310
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
森 照明 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60124632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 聡 大分医科大学, 医学部, 講師 (50154498)
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Keywords | brain tumor / TNFreceptor / LDLreceptor |
Research Abstract |
目的:脳腫瘍細胞の特異性および治療効果を検討する上で,細胞膜のリセプター(R)の研究は重要な役割をしめると考えられる. 今回我々は脳腫瘍に治療効果を示したヒト recombinant TNF(Tumor Necrotic Factor)と膜脂質流動性の調節因子に関与していると考えられるLDL(Low density Lipoprotein)リセプターの検索と作用機序を検討した. 実験方法:1)Binding assay法にて^<125>IーTNF,^<125>IーLDLを作用させ細胞表面に結合した放射活性をγーcounterで測定し細胞一個あたりのreceptor数をscatchard plot解析より求める. 2)TNFの作用機序に関する実験ーIn vitro:脳腫瘍培養細胞の増殖抑制効果,cellcycleに及ぼす影響,In vivo:ヌードマウス移植脳腫瘍(皮下)にTNF 10000u/0.05mlを腫瘍内,又は静注にて投与し腫瘍縮少率を病理学的検討を行った. 実験結果:1)ヒト培養細胞(KWN,Marcus)は24000,18000/cellのTNFリセプターを有しておりラットグリオーマ細胞(9L)の4600/cellより多かった. 一方LDLリセプターの検索は2種類のラットグリオーマ細胞(9L,C_6)で実施し9L細胞に約2倍のリセプターをみた. 2)TNF作用機序ーi)細胞増殖抑制効果ー5種類のグリオーマ細胞で検討した結果3種類の細胞に増船抑制効果をみた. ii)細胞周期に及ぼす効果:3種類のグリオーマ細胞中2種類で G.ナ_<2.ニ>+M期の細胞増加傾同をみた(48時間〜72時間後). iii)ヌードマウス皮下移植腫瘍では5種類のグリオーマ細胞いずれにも投与2週間以内に50%以上の縮少効果がみられ腫瘍内直接投与がより有効であった. 投与48時間以内に腫瘍内に出血壊死が出現した. 考察:脳腫瘍細胞にはTNF,LDLいずれのリセプターも豊富に有しており腫瘍特異性,治療効果を検討する上で重要と考えられた.
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Research Products
(1 results)